久保建英は「孤立していた」 マジョルカ番記者、連係面の課題指摘「残念なことに…」
マジョルカ地元紙は「今季最低のゲーム」とチームを酷評
このような状況からマジョルカ有利にも思われたが、シーズン開幕からアウェー3連敗を喫し、プリメーラの中で唯一「アウェーゲームで一度も勝ち点を取っていないクラブ」という、レガネスに引けを取らないネガティブな要素があった。
マジョルカはいつものように4-1-4-1システムでスタート。一方のレガネスも前任者が採用していた5バックを捨て、マジョルカと同じシステムで戦ってきた。
マジョルカはキックオフ後、2連勝している影響もあってか、自信が漲り、堂々とボールを回し落ち着いてシュートチャンスを狙っていたようだった。一方、レガネスはカウンターのチャンスを窺う展開となった。
前半9分にマジョルカのMFダニ・ロドリゲスが強烈なミドルシュートを放った後は、両チームとも決定機を迎える場面が少ないまま時間は経過。徐々にレガネスに主導権を握られると、同31分にDFロベルト・ロサレスの右サイドからのクロスをFWマーティン・ブレイスウェイトに押し込まれ先制点を許した。
1点のビハインドを追う展開のなか、後半14分に久保が投入される。前の2試合はマジョルカが1点をリードした状況で投入され、守備的なプレーを求められたが、この試合ではどうしてもゴールを決める必要があったため、久保の攻撃面での貢献に大きな期待が寄せられた。
実際、久保はDF2選手を前にして、再三にわたり右サイドでドリブルを仕掛け、後半35分には滅多に見ることがないヘディングシュートを放つなど、ゴールへの高い意欲を窺わせた。また同42分に2人目をかわそうとした際、相手の足がかかったかに見えたが、主審の笛は吹かれなかった。
結局チームは0-1で敗れて3試合ぶりの黒星を喫し、3勝1分6敗の勝ち点10で15位のままとなった。この結果に、マジョルカの地元紙「ウルティモ・オラ」は「マジョルカにとって今季最低のゲーム」と酷評。久保のパフォーマンスについては、スペイン紙「AS」、同「マルカ」ともに1点(最高3点)をつけている。
高橋智行
たかはし・ともゆき/茨城県出身。大学卒業後、映像関連の仕事を経て2006年にスペインへ渡り、サッカーに関する記事執筆や翻訳、スポーツ紙通信員など、スペインリーグを中心としたメディアの仕事に携わっている。