ドローの広島対浦和、試合後に両指揮官が見せた“対照的”な姿 立ち位置の違いが浮き彫りに
首位追走中の広島、追い付いての引き分けながら城福監督は「受け入れがたい」
浦和レッズとサンフレッチェ広島は29日のJ1第31節、前倒し開催での試合を1-1で引き分けたが、試合後の両監督の記者会見は内容を如実に表す実感のこもったものになった。
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浦和はAFCチャンピオンズリーグ(ACL)で決勝進出を決めたことで、J1の開催日程が大幅に変更。この広島戦を皮切りに中2日、中3日の過密日程のスタートになった。それでも大槻毅監督は、そのACL準決勝第2戦で広州恒大(中国)に勝利した現状のベストメンバーを送り込んだ。
しかし、試合内容はそれとは裏腹に広島が圧倒的に支配する展開になった。前半の浦和のシュートは距離のある所からの2本のみで、広島にはゴール前の決定機が2回あったが、GK西川周作のファインセーブとMF川辺駿のシュートミスで0-0で折り返した。
後半も広島が攻め込んだが、浦和は同30分にDF岩波拓也が千載一遇のチャンスで攻撃参加して先制ゴール。しかし、同43分に広島がオウンゴールで追いついての引き分けになった。
記者会見はアウェーチームから行うため、まずは大槻監督が登場。そして、「難しいゲームだった。勝ち点3が良かったけど、ゼロでなくて良かった」と、先制して追い付かれた展開以上に、トータルすればかなり苦しい試合で引き分けを奪った感があった。そのうえで「ゲームだから90分間どちらかが良いということもないから、その良い時間帯に1点を取れたのは良いこと。ただ、その時間をもう少し増やしたい」と、話している。
一方、ホームで引き分けた広島の城福浩監督は、話し出すまでに一呼吸を置くようにして「勝ち点3を取りたかったゲームだった。追い付けたのは良かったと思うんですが、勝ち点1というのは受け入れがたい」とコメント。そして「スキがなかったとしても1点で苦しくなってしまう」と、首位の鹿島アントラーズを勝ち点6差で追うなかで、内容的には勝利に近い試合をしながら勝ち切れなかった感が表情からも言葉からもにじみ出た。
残留争いの渦中にある浦和は、勝ち点を36として昇格プレーオフ圏内の16位、湘南ベルマーレとの差を勝ち点5にした。一方の広島も、この日に試合がない鹿島との差は勝ち点5になった。現状で両者ともに注目すべき相手と勝ち点5差となったこの試合は、シーズンが終わった時にどのような意味を持つものになっているだろうか。