韓国紙、Jリーグ勢のACL“3連覇”王手に危機感 「優勝回数は韓国がリードしているが…」
浦和が広州恒大を破り2年ぶりのACL決勝進出 韓国紙「Jリーグを超えたいなら…」
J1の浦和レッズが23日に行われたAFCチャンピオンズリーグ(ACL)準決勝第2戦で、広州恒大をアウェーで1-0と破り、2試合トータル3-0で2年ぶり3回目の決勝進出を決めた。一昨年の浦和、昨年の鹿島アントラーズに続き、日本のJリーグクラブがACL決勝に3年連続で進出したことで、韓国メディアもその動向に注目している。
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韓国のスポーツ紙「スポーツ京郷」は、「浦和レッズが決勝の相手、アル・ヒラル(サウジアラビア)とホーム&アウェー(11月9日、24日)で行われる決勝戦で勝利すれば、3年連続で優勝チームがJリーグクラブとなる。Jリーグは2017年に浦和レッズ、2018年は鹿島アントラーズがACLを制覇した」と伝え、近年のJリーグ勢の躍進に注目。また、過去の韓国Kリーグクラブとも比較し、「KリーグもACLで3大会連続優勝(1995/城南一和、1996-97/浦項スティーラーズ、1997-98/浦項スティーラーズ)したことがあるが、賞金額や大会規模が小さかった『アジアクラブ選手権』時代のことだ。ACLでの優勝回数はKリーグが11回、Jリーグが7回で、韓国がリードしている」という事実を伝えつつ、「近年の流れを見れば追われているのは明らかだ」と、Jリーグの勢いに押されている現実を直視すべきと指摘している。
また、同紙はJリーグの躍進について「韓国のサッカー専門家たちはJリーグがACLで好成績を残している背景について、破格的な放映権契約にあると分析している」と指摘。やはり韓国にとっては、Jリーグが2017年にDAZN(ダゾーン)と結んだ大型契約が衝撃だったようだ。実際、リーグの優勝賞金が増額され、クラブの強化費用に配分されているが、韓国はこうした莫大な資金がJリーグ勢の強化に大きくつながったと見ている。
また、同紙は「Jリーグの成長はクラブ対抗戦という枠を超えて、日本代表の競争力の上昇にもつながっている点も警戒対象だ」とし、Jリーグで認められた選手が欧州に渡るスピードが、より速まっていく可能性があるとも指摘している。
今もなおKリーグがJリーグの躍進に危機感を抱いているのは明らかで、同紙は「Jリーグを超えたいなら、もっと努力しなければならない」と締めくくっている。
金 明昱
1977年生まれ。大阪府出身の在日コリアン3世。新聞社記者、編集プロダクションなどを経てフリーに。サッカー北朝鮮代表が2010年南アフリカW杯出場を決めた後、代表チームと関係者を日本のメディアとして初めて平壌で取材することに成功し『Number』に寄稿。2011年からは女子プロゴルフの取材も開始し、日韓の女子ゴルファーと親交を深める。現在はサッカー、ゴルフを中心に週刊誌、専門誌、スポーツ専門サイトなど多媒体に執筆中。近著に『イ・ボミ 愛される力~日本人にいちばん愛される女性ゴルファーの行動哲学(メソッド)~』(光文社)。