昨年ヘリコプター墜落事故で逝去したヴィチャイ元会長の命日に決勝点を挙げる

　スペイン2部ウエスカの日本代表FW岡崎慎司が現地時間27日、リーグ第13節エルチェ戦で決勝点を挙げ、2-0の勝利に貢献した。試合後、岡崎は自身の公式インスタグラムを更新し、昨年ヘリコプターの墜落事故で逝去したレスターの元会長ヴィチャイ・スリヴァッダナプラバ氏へのメッセージを投稿した。

　写真はレスター時代の岡崎が、ヴィチャイ氏とピッチ上で写真に収まった一枚。岡崎は“恩人”に対して、「Forever in my heart（私の心に永遠に）」「one goal for you boss（会長のためのゴール）」「I miss you boss（会長会いたいよ）」と綴っている。

　昨年10月27日、同会長が所有するヘリコプターがプレミアリーグ第10節ウェストハム戦（1-1）直後に、本拠地であるキングパワー・スタジアムから離陸後、墜落。ヴィチャイ氏を含む乗客5名全員が帰らぬ人となった。2010年にレスターを買収し、的確な資金注入によって2015-16シーズンの「ミラクル・レスター」こと奇跡のプレミア優勝を支えた“恩人”の突然の死は、岡崎にとってもショックな出来事だった。

　あの悲痛な事故からちょうど1年――。今季ウエスカに加入したベテランFWは、エルチェ戦で先発メンバー入りを果たした。そして、前半45分にMFフアン・カルロスからのスルーパスに鋭い動き出しで反応。右足でシュートを放ち、相手GKの股を抜く一撃で先制点を奪った。その後、ウエスカは後半14分にもフアン・カルロスが追加点を奪い、2-0の快勝。ヴィチャイ元会長へ贈るゴールで勝利に導いた。

　この写真にはファンも反応し、コメント欄には「絶対に忘れない」「彼はレスターの人々に愛されていたし、人生をより良く変えた」「私たちの誇り！　あなたの行動も誇りに思う」と、サッカー愛に溢れたヴィチャイ元会長を偲ぶ声や、ゴールを贈った岡崎を称える投稿が相次いだ。

　岡崎にとっては忘れられない10月27日。大事な日に得点で応えた“愛すべき息子”の活躍に、ヴィチャイ元会長も天国から拍手を送っていただろう。