「レアルは手助けしてくれない」 元スペイン代表DFが指摘、久保は「動き方を学ぶべき」
レアル在籍時に一時うつ病を患う 「チームに関わるすべてのことにプレッシャーがある」
アラベス、バレンシア、バジャドリード、そしてマジョルカと渡り歩いたカンポ氏は、1998年夏にレアルへと加入。2002年までプレーし、世界的ビッグクラブとその他クラブとの環境の違いを肌で感じてきたが、そんな自身もレアル在籍時に一時うつ病を患ったという。
「トップレベルのスポーツ界では、プレッシャーからプレーしたくないという心理状態になるケースがある。(ジャンルイジ・)ブッフォンがそうだったし、他にも例があり、過去にもあったのだろうが、最近は自ら告白する例が出ている。髪が長いとか短いとか、マジョルカでは自分のスタイルで愛されていたけど、マドリードへ行ったことでプレースタイルを変えなければならないとか……。これが自分のスタイルだから、髪の毛を切らないということで多くの批判も受けた」
そのように当時を振り返ったカンポ氏は、「マジョルカには、この種のプレッシャーはない」と断言。勝利が義務付けられているレアルでは、「リーガだろうとチャンピオンズリーグだろうと国王杯だろうと、プレシーズンマッチだって試合には常に勝たなければならない。チームに関わるすべてのことに対するプレッシャーがある。あらゆることから一線を引かなければ、敗北が待っている」と、ピッチに立ってプレーする以前に、選手には重圧をはねのける強靭なメンタル、そして自身を巧みにコントロールする術が必要不可欠だと語る。
「(うつ病により)1カ月の間プレーから離れた。自分が望んでいる(精神)状態ではなく、なんの意欲もなかった。だから一度立ち止まり、あらゆるものからのつながりを一旦絶つことで良い状態に戻ることができた。その当時、1~3日のオフがあればパルマ(・デ・マジョルカ)へ来ていた。ここは僕にとって2番目の家で、故郷のサン・セバスティアンへ帰るかのどちらかだった。そうすることで、一息つくことを学んだ。ビッグクラブでプレーしたいのなら、そういったことのすべてに直面せざるを得ないだろう。チームメートのなかで何人かが同じような悩みを抱えていたが、私はいつもリラックスすることの重要性を説明してきた」
モレノ監督の指導の下でスペインサッカーの「動き方」を学び、マジョルカでの日々の生活からビッグクラブの重圧に打ち克つ術を会得すべき――。思うように出場時間を得られず、守備的な戦いを強いられるチームのなかで我慢の時が続く久保だが、来季以降のレアル復帰を見据えれば、この経験は必ずや生きてくるはずだとカンポ氏はエールを送っていた。
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(取材●島田 徹 / Toru Shimada 構成●FOOTBALL ZONE編集部)