札幌FW鈴木、ルヴァン杯得点王獲得も決勝の“ワンシーン”後悔 「言い訳になるけど…」
7ゴールで大会得点王に輝いた鈴木、決勝で逃した決定機について言及「イメージより…」
コンサドーレ札幌のFW鈴木武蔵は、26日のルヴァン杯決勝戦でフル出場。チームが3-3からPK戦の末に敗れ、自身は7得点の大会得点王を獲得したが「ただの準優勝に終わらせないように」と、表彰を受ける川崎フロンターレの姿を目に焼き付けた。
鈴木はグループステージから登場したチームの中で、準決勝までに7得点で得点ランキングトップだった。2位の6点は同じ札幌のFWアンデルソン・ロペスだっただけに、チームから得点王が生まれるのは確実。あとは、このファイナルでその力を証明するだけだった。
しかし、元イングランド代表FWジェイ、タイ代表MFチャナティップと鈴木で組んだ前線のトリオは、前半からカウンターのチャンスを得ながらそれを逸してしまう場面が目立った。1-1の同点で迎えた後半41分には、途中出場したロペスからのラストパスを受けた鈴木がGKと1対1になりかけながら、ドリブルが流れて決定機を逸してしまう。鈴木は「イメージより前に出てしまった。カウンターのチャンスでラストパスのズレもあった。決勝の雰囲気でそうなったと言えば言い訳になるけど……」と、悔しい試合になった。
それでもチームはウイングバックのMF菅大輝のゴールに加え、MF深井一希とDF福森晃斗がセットプレーからゴール。前線3人の不発をチームで補って川崎を相手に一歩も引かない戦いを見せた。それでもPK戦の末に屈した。華やかな表彰式をピッチから見上げた瞬間を鈴木はこう話している。
「単純に悔しい気持ちはあるんですけど、その中でも試合中にあの場面でああしていれば、という反省もその瞬間から始まっていた感じで。これを目に焼き付けて次につなげないといけないと思ったし、ただの準優勝に終わらせないように、これを覚えていないといけない」
優勝した川崎は5回目の挑戦にして初のルヴァン杯優勝だった。裏を返せば、4回も同じようにピッチから優勝チームを見上げて、悔しさを胸にした。ミハイロ・ペトロヴィッチ監督も試合後「足りなかったものがあるとすれば、経験だろう。ここ5年、6年と常にタイトルを争っている川崎の経験は、我々にはないもの」と話した。リーグ優勝こそ2年連続で果たしている川崎だが、一発勝負のファイナルを制したのはこれが初めて。その裏にはこうした悔しい思いを経た歴史がある。
得点王というタイトルにも「決勝で取れないと意味がない。次につながると捉えたい」と話す鈴木の今季の活躍は、日本代表への選出にもつながった。ポテンシャルの高さは誰もが認めるストライカーだけに、次は大舞台で勝負を決められる強さを身につけられるか。それを証明するためにも、次のファイナルにチャレンジする機会を得て、そのピッチでゴールを奪う姿を見せつけたい。