札幌ペトロヴィッチ監督、ルヴァン杯決勝で惜敗も健闘称賛 「選手たちを誇りに思う」

札幌のペトロヴィッチ監督【写真:Getty Images】
札幌のペトロヴィッチ監督【写真:Getty Images】

川崎と3-3の打ち合い、最後はPK戦の末に敗れてタイトル獲得ならず

 コンサドーレ札幌のミハイロ・ペトロヴィッチ監督は、26日のルヴァン杯決勝戦でPK戦の末に川崎フロンターレに敗れると、「選手たちを誇りに思う」と称えた。そして「足りなかったものがあるとすれば、経験」と口にしている。

 札幌にとってはクラブ創設から初のタイトルマッチだった。それでも川崎を相手に臆することなく試合を運び、それに対して“ミシャ”の愛称で知られる指揮官は「両チームにとって素晴らしい試合だった。五分に渡り合う拮抗した試合で、見ていた人にも興味深かっただろう。私も長く日本にいるが、決勝戦の中でもベストゲームの一つに数えられるのではないだろうか。非常に際どいところで敗れたが、選手たちを誇りに思う」と話した。

 実際に札幌は前半10分に先制ゴールを奪うと、川崎の攻撃に対して自陣に押し込まれながらも鋭いカウンターも繰り出した。後半43分までに2失点して逆転されたものの、同アディショナルタイムに同点に追いつく。延長前半には相手に退場者が出た場面で得たフリーキックで勝ち越したが、10人の相手に同点ゴールを許してPK戦で屈した。

 ミシャ監督は「川崎は日本で最も強いチームの一つだが、我々は2位でなく勝って優勝すると準備してきた。勝利になり得る得点があり、限りなく近づいたがそれを生かせなかった」と、寸でのところでタイトルに手が届かなかった悔しさを語る。一方で、「なぜ勝利できなかったか、監督の私に何が足りなかったか探している」とした一方、札幌の現状と伸びしろについてこう話した。

「私は自分のチームをよく知っている。18カ月間を掛け、ジェイ以外は平均25歳くらいだ。以前はその年齢が高かったチームを若返らせながら成長してくれた。もし足りなかったものがあるとすれば、経験だろう。川崎はここ5年、6年と常にタイトルを争っている。その経験は我々にないものだ。私はこの経験が未来につながると信じている。来年、決勝を戦えばこの経験が生きる。決勝で際どいゲームをしたことに満足をしたくはない」

 120分間とPK戦の激闘で、両チームのシュート数は合計38本に上った。約3分に1回はシュートシーンが生まれた試合は、ともに攻撃サッカーを標榜する両者だからこそだろう。札幌にとっては、10人の相手にリードを奪ってから延長戦の約20分間は、近くて遠いタイトルへの道のりを味わったと言えるのかもしれない。

 それでもサンフレッチェ広島、浦和レッズと渡り歩き、自身にとって3クラブで4回目の決勝に札幌を導いた名将は「我々は来年、再来年とより強いチームになり、Jリーグのトップ5に入るような存在にならなければ。チームもクラブも成長しなければいけない」と、北の大地からさらなる高みを目指している。

 ミシャの薫陶を受けて堂々たる戦いぶりを見せた札幌は、来季以降によりタイトル争いに顔を出すのが当然のチームになっていきそうな気配だ。

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