ルヴァン杯決勝の“韓国人GK対決”に母国注目 札幌守護神が闘志「絶対に優勝したい」

北海道コンサドーレ札幌GKク・ソンユン【写真:Getty Images】
北海道コンサドーレ札幌GKク・ソンユン【写真:Getty Images】

プロキャリアで初タイトルに挑むク・ソンユン 「与えられたチャンスを逃したくない」

 J1の北海道コンサドーレ札幌は26日、埼玉スタジアムで行われるルヴァンカップ決勝で、川崎フロンターレと対戦する。クラブ史上初の決勝戦に挑む札幌の韓国人GKク・ソンユンに韓国のサッカー専門サイト「インターフットボール」が電話取材を行い、意気込みを聞いている。

 ク・ソンユンはプロサッカー選手になってから、タイトルが懸かった試合に挑むのは初めてのことだという。同サイトの取材に対し、このように心境を明かしている。

「(決勝戦が)楽しみでもあり、緊張もしています。その気持ちは半々です。まずは先発メンバーに名前が挙がれば、チームの歴史を新たに作る機会をもらえる。サッカー選手としては決勝戦という機会を味わうことはなかなかない。与えられたチャンスを逃したくないし、その気持ちを多くの人たちに見せたい」

 決勝の相手はJリーグ2連覇中の川崎だ。大舞台での経験では、川崎に分があるように見える。ク・ソンユンはそれも承知のうえで、「川崎は優勝経験も多く、決勝戦の舞台にもたくさん上がってきたのは事実だ。しかし、それは重要ではないと思う。昨年も湘南ベルマーレが優勝した時、みんなが相手の横浜F・マリノスが優勝すると思っていた。しかし湘南が優勝した」と話し、これまでの実績だけでは結果は分からないと断言している。

 そのうえで、「重要なのは精神力。自分たちが準備してきたものをピッチで出せれば、十分に優勝できると思う」と、強い気持ちで挑むと心情を吐露していた。

 また、川崎のGKは同じ韓国人のチョン・ソンリョン。“韓国人GK対決”について聞かれると、「チョン・ソンリョン先輩と対戦するが、それは特に意識はしていない。絶対に優勝したいという気持ちだけ」と静かに闘志を燃やしていた。

 プロサッカー人生において初のタイトルが懸かった試合で、ク・ソンユンがどんなパフォーマンスを見せてくれるのか楽しみだ。

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金 明昱

1977年生まれ。大阪府出身の在日コリアン3世。新聞社記者、編集プロダクションなどを経てフリーに。サッカー北朝鮮代表が2010年南アフリカW杯出場を決めた後、代表チームと関係者を日本のメディアとして初めて平壌で取材することに成功し『Number』に寄稿。2011年からは女子プロゴルフの取材も開始し、日韓の女子ゴルファーと親交を深める。現在はサッカー、ゴルフを中心に週刊誌、専門誌、スポーツ専門サイトなど多媒体に執筆中。近著に『イ・ボミ 愛される力~日本人にいちばん愛される女性ゴルファーの行動哲学(メソッド)~』(光文社)。

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