ベンゲル、親友の岡田武史氏と“白熱議論” 東京五輪での勝利に不可欠なことは?
来日中のベンゲル氏が都内で岡田元日本代表監督とトークセッション
プレミアリーグの名門アーセナルで長年監督を務めたアーセン・ベンゲル氏が24日、都内で講演会を行った。第1部ではFC東京の大金直樹社長と東京ヴェルディの羽生英之社長とともにトークセッションを、第2部では元日本代表監督でJFL・FC今治の岡田武史会長と熱い議論を交わした。2010年南アフリカ・ワールドカップ(W杯)前から親交を深めたという岡田氏とは、来年の東京五輪までに日本スポーツ界が臨むべき課題について意見を交換した。
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ベンゲル氏は1996年から昨年までの22年間はアーセナルで指揮を執り、プレミアリーグで3度頂点へ導くなど、数々のタイトル獲得に貢献してきた名将。1995年には名古屋グランパスで監督を務め、天皇杯優勝を経験している。“親友”の岡田氏とは、2010年南アフリカW杯頃から親交を深めたという。日本にも縁があるベンゲル氏だからこそ、来年の東京五輪に向けて、日本代表に必要なことを明かした。
「人生には3つやり方がある。トレーニングするためのトレーニング。競うためのトレーニング。勝つためのトレーニング。すごく複雑な居心地の悪い状態で、居心地を良くしていかなければいけない。勝つというのは簡単ではない。プレッシャーのなか、不安定のなか、挑戦しなければいけないというのが居心地のいいトレーニングにもつながる」
勝つためのトレーニングを積むには、自らをどこまで理解し、重圧に打ち勝つことができるかが大切。トップアスリートがどれだけ勝つためのトレーニングを積んできても、五輪の舞台は一度だけ。日頃から不安定な状態に挑戦し続けることが大事だという。
「例えば、フランスの100メートル走の選手が言っていたことがある。100メートル女子、五輪の準決勝。選手たちが集まってこれからレーンに出るという、集合した時にもう自分が負けていたかどうか分かった、と。(その選手は)スタートを切ってからはどう勝てるか想像していたけれど、その前に自分の敵たちと一堂に会する場を想像していなかった。そこで負けちゃった、と」
勝者のメンタリティーを手に入れるため、必要不可欠な練習。その練習のなかで、どれだけ自身を追い込み、想像力を働かせるかどうかが、日本スポーツ界を発展させるためのカギになるようだ。
(FOOTBALL ZONE編集部・小杉 舞 / Mai Kosugi)