「ベルギー戦がいい例ではないか…」 ベンゲル氏が指摘する日本サッカーの“弱点”とは?
名古屋やアーセナルを率いたベンゲル氏が来日、都内で講演会を開催
プレミアリーグの名門アーセナルで長年監督を務めたアーセン・ベンゲル氏が24日に来日し、都内で講演会を行った。講演会前には囲み取材に応じ、日本サッカーにおける“弱点”について語っている。
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ベンゲル氏は1996年から昨年までの22年間はアーセナルで指揮を執り、プレミアリーグで3度頂点へ導くなど、数々のタイトル獲得に貢献してきた。アーセナルの名将としてのイメージが強いベンゲル氏だが、その前の1995年には名古屋グランパスで監督を務め、天皇杯優勝へと導いている。1993年にJリーグが立ち上がり、日本でサッカーが盛り上がりを見せていた当時を、ベンゲル氏は思い出とともに振り返った。
「名古屋に来たのが1995年のことでした。ちょうどJリーグが3年前に立ち上がって、サッカー熱がとても盛り上がっている時代に日本に来ることができ、日本を発見できたことは私の中にも残っています。皆さんがサッカーについて知りたいという勢いのある時代でしたし、ガツガツして、目をキラキラさせてサッカーに貪欲な人たちに囲まれた時代だった」
そんななか、現在の日本サッカーにおける印象も語っている。日本代表の歴史として刻まれた一戦、昨年のロシア・ワールドカップ(W杯)決勝トーナメント1回戦ベルギー戦(2-3)を例に出して“弱点”を指摘した。
「日本のサッカーはこの20年で進化したと思います。ただ20年前からの弱点も残念ながらまだ克服されていないと思います。W杯では弱点が空中に漂っていたようで、得点されるとどうしてもパニックに陥ってしまう。ベルギー戦がいい例ではないかな。そういう弱点の克服がまだ追い付いていないような気がします」
強敵ベルギーを追い詰めた一戦――。ベルギー戦では、MF原口元気(ハノーファー)が後半3分に先制点を挙げ、4分後にはMF乾貴士(エイバル)が畳みかけるように追加点を決めた。だが、後半24分に1点を返されてからは流れが相手にわたり、同29分に同点。“ロストフの14秒”として語られる後半ロスタイムにカウンターを浴びて逆転負けを喫した。
ベンゲル氏が指摘したのは失点を許してからの戦い方。20年前から「克服されていない」と言われた“弱点”について、日本代表として今一度向き合っていかなければいけない。
(FOOTBALL ZONE編集部・小杉 舞 / Mai Kosugi)