浦和FW興梠、広州恒大戦“勝因”に敵将の発言指摘 「選手全員、それを見て火がついた」
準々決勝後に広州恒大のカンナバーロ監督が「これで優勝できる」と発言か
浦和レッズのFW興梠慎三は、23日のAFCチャンピオンズリーグ(ACL)準決勝第2戦、広州恒大(中国)戦で決勝ゴールを挙げ、1-0の勝利に導いた。浦和は2戦合計3-0で決勝進出。抜群のゴールへの嗅覚を見せつけたストライカーは、勝因に敵将ファビオ・カンナバーロ監督の発言を挙げた。
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浦和は初戦のホームゲームを2-0で勝利して中国に乗り込んだ。優位な条件のなかで、突破を決定づける一撃は後半5分に生まれた。中盤で相手のパスミスをMF阿部勇樹がカットしてスタートした攻撃は右サイドに展開。ボールを受けたMF橋岡大樹が縦に仕掛けてクロスを上げると、ファーサイド側で相手DFの視野から外れ、そこから一気に前へ走り込む定番のパターンで鮮やかなヘディングシュートを決めた。
興梠はこのゴールについて「あの1点は相手にダメージが大きかったと思う。サイドで橋岡と関根(貴大)が打開してくれるから、クロスでゴールを取りたいと思っていた。良いクロスを要求するのもそうだけど、中への入り方も、もっと極めたいですね」と笑顔だった。
そして、興梠は2試合180分の戦いを突破できた要因に、広州を率いるカンナバーロ監督の発言を挙げた。
「(8強で)広州と鹿島(アントラーズ)が対戦して広州が来たわけですが、その時にカンナバーロ監督が『鹿島に勝って、これで優勝できる』と発言しているというニュースを見た。選手全員、それを見て火がついたと思う。絶対に勝ってやろうと。広州はそれが敗因だったんじゃないですか」
浦和は16強で蔚山現代(韓国)と対戦した際、初戦をホームで1-2と敗れた。その第2戦を前に、蔚山のキム・ドフン監督が「特に危険だと思う選手はいない」と発言したことに発奮したことがあった。その結果、アウェーで3-0の完勝で逆転突破した。興梠は「蔚山でもそんなことがあったからね。火をつけたら浦和は怖いってことですよ」と、充実感をにじませた。
興梠は大槻毅監督と試合前日記者会見にも出席したが、その場ではカンナバーロ監督の発言について触れなかった。まさに結果で示してから口を開くという矜持を見せたエースは、これでACL通算26得点。歴代単独4位で、日本人最多ゴールも更新した。
この試合には、浦和から約700人のサポーターが駆けつけた。興梠は「後押ししてくれたサポーターに、決勝進出をプレゼントしたかった」と、完全アウェーの中で心強い味方になった存在にも感謝の言葉を残していた。
(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)