久保建英、“大金星”に見えたマジョルカでの現在地 レアル番記者「トップ下のほうが…」
マジョルカが14シーズンぶりにレアルから勝利 途中出場の久保は守備に奔走
10月19日にホームで行われたリーガ・エスパニョーラ第9節レアル・マドリード戦、日本代表MF久保建英は2試合連続のベンチスタートとなった。
開幕戦以来、7試合ぶりとなる白星を挙げた前節エスパニョール戦 (2-0)では、1点をリードしたまま折り返した後半12分から久保は出場するも、守備的なプレーを求められ、攻撃面で目立ったパフォーマンスを見せることはできなかった。
その後、カタール・ワールドカップ(W杯)アジア2次予選のモンゴル戦(6-0)とタジキスタン戦(3-0)に臨む日本代表に合流。だが、「タジキスタン戦のわずか4分間のために22,000kmもの長距離移動を強いられた」と、久保の非常に短いプレー時間に対しスペイン紙「マルカ」が批判している。
レアル戦は期限付き移籍元のクラブとの対戦とあって、久保への注目度は日本だけでなくスペインでも非常に大きなものとなった。それは、試合前日となる18日発売のスペイン最多販売数を誇るスポーツ紙「マルカ」の一面に、レアルとマジョルカのユニフォームを手に持った久保の写真が大きく掲載されたことからも分かる。記事のなかで久保は、マジョルカ移籍後初めて、これまで日本を含むどのメディアにも全く明かすことのなかった入団の経緯などを語っている。
レアルがマジョルカを訪れるのは実に7年ぶりとなるため、試合当日のキックオフ2時間前からスタジアム周辺は多くのサポーターで賑わいを見せていた。また通常価格の2倍というチケットも、すでに完売状態だった。
久保が代表戦から戻ってきたのは、レアル戦3日前の16日夜。そのためチーム練習に参加できたのはわずか2回で、スペイン各紙の予想は移動距離も懸念されベンチスタートだった。
マジョルカのスタメンの顔ぶれは、勝利した前節エスパニョール戦とすべて同じで、久保は再び控えとなった。勝ち点3獲得という結果を得た以上、ただでさえ変化を求めることを望まないビセンテ・モレノ監督にはメンバーを入れ替える理由はなかったのだろう。
高橋智行
たかはし・ともゆき/茨城県出身。大学卒業後、映像関連の仕事を経て2006年にスペインへ渡り、サッカーに関する記事執筆や翻訳、スポーツ紙通信員など、スペインリーグを中心としたメディアの仕事に携わっている。