29年ぶり“南北対決”に韓国団体が糾弾ビラ 徹底措置に批判「民族対決の決闘に変質させた」
脱北者団体が北朝鮮を糾弾するビラを作成、サッカー以外の面からも注目
韓国代表は現地時間15日、カタール・ワールドカップ(W杯)アジア2次予選で北朝鮮代表と対戦。平壌で29年ぶりに実現した“南北対決”はスコアレスドローの痛み分けに終わった。この試合では北朝鮮側の施した異様な措置が話題を呼んでいたが、韓国の団体は開催方式を糾弾するビラを北朝鮮に向けて送ったという。韓国紙「中央日報」が報じている。
グループHで実現した“南北対決”だが、無観客試合に加え、韓国での試合生中継、韓国報道陣を完全にシャットアウトした徹底的な措置が波紋を呼んでいた。韓国はFWソン・フンミンを筆頭に、FWファン・ウィジョら欧州でも主力として活躍するベストメンバーを送り込んだが、北朝鮮の牙城を最後まで崩すことはできなかった。
あまりにも異様な雰囲気のなかで行われた一戦について、批判のビラを作成して北朝鮮に向けて送ったのは脱北者団体「自由北朝鮮運動連合代表」だ。「中央日報」は「平和のスポーツ場を決闘で……脱北者団体、ワールドカップ予選糾弾ビラ」と見出しを打ち、同団体の代表であるパク・サンハク氏のコメントを紹介している。
「北朝鮮は平和のスポーツ場で乱闘を起こし、戦場としても『我が民族同士』という言い訳をしている」と批判する同氏は、さらに「北朝鮮は、偽の平和ムード、偽朝鮮半島の非核化を利用して偽善の顔を出したことで、平和のスポーツ競技まで民族対決の決闘に変質させた」と厳しく糾弾している。
同団体は批判のビラを風船にくくり付け、北朝鮮に向けて送る活動を続けており、その一環として今回の“南北対決”が批判の矛先となった形だ。韓国代表FWソン・フンミン(トットナム)も「負傷をせず、無事に帰れたこと自体が大きな快挙と言える」と語ったように、ピッチ上でも明らかに異様だった一戦は、サッカー以外の面からも大きく報じられることとなった。