乱闘騒ぎ、危険タックル… “北朝鮮vs韓国”の映像が解禁 「負傷させるためのプレーを…」
動画には1万コメントの大反響「これはW杯予選なのか?」
韓国代表は現地時間15日、カタール・ワールドカップ(W杯)アジア2次予選で北朝鮮代表と対戦。平壌で29年ぶりに実現した“南北対決”はスコアレスドローの痛み分けに終わった。北朝鮮側の施した異様な措置が話題を呼んでいた。大韓サッカー協会(KFA)は公式YouTubeで試合のダイジェスト動画を公開したが、危険なラフプレーや乱闘騒ぎにコメント欄では1万件を超える反響が沸き起こっている。
グループHで実現した“南北対決”だが、無観客試合に加え、韓国での試合生中継、韓国報道陣を完全にシャットアウトした徹底的な措置が波紋を呼んでいた。韓国はFWソン・フンミンを筆頭に、FWファン・ウィジョら欧州でも主力として活躍するベストメンバーを送り込んだが、北朝鮮の牙城を最後まで崩すことはできなかった。
英紙「ザ・サン」は、韓国メンバーは中国からの入国を強制され、北京に携帯電話を置いて行くことを強いられたと伝えており、「韓国のサポーターには試合が収められているDVDが支給されることが約束されている」と説明していたが、KFAを通して、ようやく韓国ファンに試合の映像が提供されることになった。
しかし、試合は、競り合いしたFWナ・サンホ(FC東京)に対し北朝鮮の選手たちが激昂し乱闘騒ぎが勃発したことに加え、FWソン・フンミン(トットナム)が危険な強烈タックルに見舞われるなど、荒れた展開に。イエローカードこそ両チーム併せて4枚と平均的な警告数となったが、負傷者が続出しても不思議ではない一戦となった。
動画のコメント欄では「これはW杯予選なのか? 殺人サッカーなのか?」「こんな試合は絶対的にナンセンスだ」「レッドカードが出ていないのが不可解」「北朝鮮は負傷させるためのプレーをしている」「もうこの国とは試合をしたくない」「選手が全員生きて帰ったことを称えるべき」「ソン・フンミンの足が壊れていないことが幸い」「せめて韓国は正しい道を歩むべき」「こんな試合はサッカーとは言えない」と、ファンからも怒りの声が寄せられていた。
帰国後、KFAの幹部であるチェ・ヨンイル氏は「まるで戦争のような試合だった」と表現し、ソン・フンミンも「負傷をせず、無事に帰れたこと自体が大きな快挙と言える」と、危険性の高い試合となったことを強調していた。歴史的な“南北対決”となったものの、韓国側にとっては勝敗以上に身の危険を案じなければならない一戦となったようだ。