香川真司「温存の理由」をサラゴサ記者が指摘 “急失速”のチームが苦しむ要因とは?
地元テレビ局のエルナンデス記者が断言 香川の先発落ちは「ローテーション」
香川がベンチスタートになるのは、11試合目にして初めてだった。唯一、第9節マラガ戦(2-2)を風邪で欠場しているが、それ以外のメンバー入りした9試合ではすべてスタメン出場している。
今回、香川が控えになった理由が、風邪から復帰した後の2試合でのパフォーマンスが思わしくないことによるものかは分からない。しかし全試合に先発出場し、チーム最多7得点を決めているスアレスや、中盤の要エグアラスも同様に控えだったことを考えると、ミッドウィークでの試合によるローテーションと考えるのが妥当だろう。
フエンラブラダ戦のキックオフ時間は21時。気温は10度近くまで下がり、冬の装いだった。香川不在の前半、両チームに大きな動きはなく試合が進んでいくが、前半35分、フエンラブラダMFウーゴ・フライデの鮮やかなFKでの一撃により、ホームチームが先制する。
後半開始直後から香川がウォーミングアップを開始。その後、サラゴサは後半16分にMFホルヘ・ポンボが倒されて得たPKをMFハビ・ロスが決めて同点にするも、その6分後に再びリードを許す展開となった。
1点を追うサラゴサがどうしてもゴールを必要とするなか、香川は後半28分にピッチに投入される。しかし、風邪から復帰後の2試合と同様、試合に上手く入れている印象を与えられず、左サイドに流れてつなぎには参加したものの目立った活躍はできなかった。チームも1-2で敗れて今季2敗目を喫した。
この日の香川のプレーについて、スペイン紙「AS」は最低の0点(最高3点)、同「マルカ」は1点(最高3点)を付け、特にプレーについて触れなかった。
フエンラブラダ戦を取材したサラゴサの地元テレビ局「アラゴンTV」のホルヘ・エルナンデス記者は試合後、香川がベンチスタートになったことについて、「今日はローテーションだったと思う。なぜならチームはここのところ(本拠地の)ラ・ロマレダで勝っていないので、日曜日に再びいい試合をする必要があるからね」と、最近調子を落としている香川が次のホームゲームに向けて温存されたとの見解を示した。
高橋智行
たかはし・ともゆき/茨城県出身。大学卒業後、映像関連の仕事を経て2006年にスペインへ渡り、サッカーに関する記事執筆や翻訳、スポーツ紙通信員など、スペインリーグを中心としたメディアの仕事に携わっている。