劇的弾で浦和撃破の大分、J1残留へ大きく前進 「ご褒美」の勝利で示した“のびしろ”
浦和戦の勝利で再確認 「ラグビーしかりサッカーしかり、スポーツというのは…」
29試合終了時点での大分は、32得点27失点という、得点も失点も少ないチームだという数字が顕著に出ている。その長所は後半に押し込まれながらも失点ゼロでしのぎ切れるところに表れた。その意味では、伸びしろはここからどれだけ得点力を伸ばせるのかというところだろう。
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完全に押し込んでボールを保持した前半だったが、大分のシュートは2本だった。左シャドーのMF小林成豪が対面するDF岩波拓也を前に引っ張り出すようなポジションを取ると、左サイドのMF田中達也や、1トップの後藤はそのスペースに走り込んだ。また、右シャドーの小塚和季が浦和の2ボランチの背後でトップ下のようにフリーになる場面も少なくなかった。しかし、その良いタイミングでボールが彼らに入ってこなかったのも目に付いた。
オフ・ザ・ボールの動きを含めた連動性と狙いがハッキリした一方で、そこに強気なボールをつけることができたかというと疑問が残り、それがシュートまで行けない攻撃になった。一方で、リスクを取らずにボールを動かすことが浦和を自陣に釘付けにしたとも言える。しかし、勝ち点の裏付けを得た残り5試合では、そこの部分にチャレンジしていきやすい状況が生まれたはずだ。 大分がJ2から昇格して1年目であり、成長途上のチームなのは間違いない。来季に向けてステップアップを図るためにも大事にしていきたい5試合になる。
片野坂監督は「今はラグビー(ワールドカップ)もやっていますけど、ラグビーしかりサッカーしかり、スポーツというのはチームでやるなかで、勝利を目指して強い気持ちを持って、最後まで諦めないチームがああいう形でご褒美をいただくのかな」とも話した。そうしたチーム全体のスピリットを持つチームだけに、その証明をしたうえで伸びしろがどこにあるかも示した浦和戦になったと言えそうだ。