苦境の浦和、J1残留へ「イバラの道」 勝ち点3を欲した大分戦で訪れた“最悪の結末”
16位との勝ち点差は「4」 勝利にこだわった大分戦、後半ATに決勝点を献上
浦和レッズはホームで行われた18日のJ1リーグ第29節大分トリニータ戦に0-1で敗れた。ほぼラストプレーと言えたカウンターで決勝ゴールを奪われた背景には、勝ち点3がどうしても欲しい状況で迎えた一戦だったという側面もあった。
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浦和は今季、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)で準決勝まで勝ち進んでいる一方、リーグ戦では勝ち点が伸びていない。前節で清水エスパルスに勝利(2-1)したことで勝ち点を35に伸ばし、順位は10位まで上がった。しかし、J1参入プレーオフに回る16位との勝ち点差はわずか4ポイント。その意味で、順位という見た目とは裏腹に残留争いからは全く抜け出せていない状態だった。
一方の大分は、片野坂知宏監督が試合後に「目標は残留」と話したように明確なターゲットがある。試合前の時点で勝ち点40だっただけに、目標を達成するという意味ではアウェーで引き分けでも悪くない状況だった。
その両者の立場の違いは、0-0で迎えた残り10分ほどに表れていたと言える。浦和は負けているチームかのように攻撃の圧力を強めた一方で、大分はセットプレーでも時間を使いながらスコアを動かされないことを優先する所作を見せた。その姿勢の差は、浦和が後半45分を過ぎようかという時間にビッグチャンスを二つ迎えたことにも表れた。しかし、大分のGK高木駿がビッグセーブを連発すると、アディショナルタイム表示3分が経過する直前にそのシーンは訪れた。
この時、浦和はDF岩波拓也も攻撃参加していた。岩波は「後ろの枚数を確認して、その上で出て行った」と話した一方で、「そのすぐ前にマウリシオもシュートを打っていたし、センターバックが1枚ならともかく、2枚が上がるとバランスは崩れてしまう」と悔やんだ。そして、大分陣内でどちらのチームにこぼれてもおかしくなかったようなボールが大分に渡り、そこから一気のカウンターでFW後藤雄介の決勝ゴールが生まれた。
浦和のエースFW興梠慎三は「勝ち点3以外は全く考えていなかった」と話す。一方で岩波は「勝ち点3を欲しがり過ぎてしまったと思う。今の状況を考えれば、勝ち点1も大事なものだった」との思いを話した。このあたりが、崩れてしまったバランスの一因になったのかもしれない。