「今季残るべきだった」 レアルの番記者&ファンが見た久保建英の“今”「一時代を築ける」
レアル番記者が「もう少し守備面を向上させる必要がある」
同じく試合観戦に訪れたハビエルさんも、「タケ・クボは大きく進化している若い選手だ。素晴らしい左足を備えているよ。マジョルカで上手くいくことを願っている。特に若い選手にとって、出場時間を得ることがプリメーラ(1部リーグ)では重要なこと。再び彼がレアル・マドリードに戻ってくることを願っているし、一時代を築ける選手だと思う」と大きな期待を込めた。
スペインのラジオ局「カデナ・コペ」で、レアル・マドリードの番記者を務めるミゲル・アンヘル・ディアス氏は、「クボは先日、すでに(マジョルカで)スタメン出場を果たし、徐々に監督の信頼を得ている。創造性豊かなプレーヤーだ。もう少し守備面を向上させる必要があると思うけど、すごい才能を備えており、彼はそれを上手く生かすことができるはずだ」と、18歳レフティーが持つ稀有な才能を認めた。
久保がレアルに戻るキーポイントについては、「選手としてもっと形作られなければならないだろうね。そのためにまずプリメーラ(1部)で結果を残し、その後でチャンスが訪れた時に運をつかむ必要がある。おそらく来季もジダンが監督を続投すると思うが、マドリードに戻る準備をしっかりとしておかなければならない」と見解を述べた。
一方、「監督がジダンでない場合、他のタイプのサッカーをする可能性があるし、より堅実でディフェンシブな戦いをするかもしれない。しかし久保は、まだそこまで守備を身につけているわけではない。まずはプリメーラで際立った活躍を見せ、初年度をいい形で終わらせ、その後で来季の監督に選ばれる必要がある」と、久保について何も知らない新監督に向けたアピールの重要性も説いた。
現時点で久保が、マジョルカでレギュラーの座を手にしたとは言い難いが、攻撃面に関して言えば誰よりも目を引くプレーをしているといっても過言ではない。ここ2試合は起用法の問題もあり、パフォーマンスは低調なものとなっている。しかし、サッカー先進国のスペインの人々さえも納得させる確かな技術を久保は備えている。
高橋智行
たかはし・ともゆき/茨城県出身。大学卒業後、映像関連の仕事を経て2006年にスペインへ渡り、サッカーに関する記事執筆や翻訳、スポーツ紙通信員など、スペインリーグを中心としたメディアの仕事に携わっている。