「タジキスタン戦出場14人」を金田喜稔が採点 異色の「攻撃センス」を絶賛した選手は?
不慣れな人工芝ピッチで無失点 日本の3-0勝利は権田の「スーパーセーブがあってこそ」
<DF>
■長友佑都(ガラタサライ)=★★★★
タジキスタンはモンゴルに比べてボールをつなぐ力があり、長友が対峙した相手の右サイドの選手にも縦に運ぶ力はあった。そうした状況を見極めながら、今回の試合では攻撃参加をある程度押さえ、相手のサイドチェンジにもしっかりと対応。1対1で負けない強さはもちろん、自らの力を1試合のなかでコントロールしながら、どっしりと構えた守備を貫いたのは経験のなせる業だ。
■吉田麻也(サウサンプトン)=★★★★
1対1の局面で非常に上手い対応をしていた。ここを通されたら危機的状況を迎えるというシーンで、余裕をもって相手を押さえていた。ボールに触るのか、流すのか、クリアなのか。GK権田との連係を含めて、そこの判断は的確だった。またゴールこそ決められなかったが、攻撃時のCKで吉田が得点に絡む雰囲気は以前よりも増している。チームとしてその高さを生かすため、吉田を確実にフリーにするような工夫が今後は必要だろう。
■植田直通(セルクル・ブルージュ)=★★★
無失点に貢献したとはいえ、相手に右サイドで何度か起点を作られるなか、酒井のカバーリングの仕方や対峙した相手のつかみ方、ポジション取りを含めて決して良いパフォーマンスには見えなかった。局面での守備でも、相手の切り返しのシュートに対し追いついていけないなど、やや後手を踏むシーンもあった。
■酒井宏樹(マルセイユ/→後半12分OUT)=★★★★
右サイドからのクロスで素晴らしい2アシストをマークした。その一方で前半、右サイドで相手に起点を作られ、やられたところもあった。酒井個人の問題ではなく、チーム全体の前線からの守備が機能していなかった影響だが、相手に高い位置でセカンドボールを取られた時などは後手を踏み、簡単にやられるシーンもあった。
<GK>
■権田修一(ポルティモネンセ)=★★★★★
アウェーの大歓声に包まれる雰囲気、慣れない人工芝。日本の選手のキックが全体的にずれるなど、ボールの転がり方も含めて難しいピッチ状況だったが、無失点に抑えたことは高く評価したい。1点を先に奪われたら難しい試合展開になりそうななか、前半23分の決定的なピンチを左手一本で死守。結果的に日本が3-0で勝ったのも、あのスーパーセーブがあってこそ。W杯予選3試合連続の無失点を継続し、チームの守備を引き締めている。
金田喜稔
かねだ・のぶとし/1958年生まれ、広島県出身。現役時代は天才ドリブラーとして知られ、中央大学在籍時の77年6月の韓国戦で日本代表にデビューし初ゴールも記録。「19歳119日」で決めたこのゴールは、今も国際Aマッチでの歴代最年少得点として破られていない。日産自動車(現・横浜FM)の黄金期を支え、91年に現役を引退。Jリーグ開幕以降は解説者として活躍。玄人好みの技術論に定評がある。