「タジキスタン戦出場14人」を金田喜稔が採点 異色の「攻撃センス」を絶賛した選手は?

特に前半は攻撃にリズムを生み出せなかった橋本【写真:Getty Images】
特に前半は攻撃にリズムを生み出せなかった橋本【写真:Getty Images】

橋本は攻撃面で持ち味を発揮できず 「大迫不在が大きく影響した」

■南野拓実(ザルツブルク/→後半42分OUT)=★★★★★

 格下相手とはいえ不慣れなアウェーでの試合で、しかも序盤から日本が攻め込みながらなかなかゴールを奪えない重苦しい展開のなかで奪った2得点は価値がある。前半終了間際、中島からの決定的なクロスボールをヘディングで決めきれなかった。「今日は自分の日ではないな」とメンタル的に落ちてもおかしくない状況だったが、後半にしっかりと切り替え、コンビネーションと動き出しの質の高さで先制点を決めきる精神力が素晴らしい。守備での貢献も含めて、トップ下として今や外せない存在。文句なしの5つ星だ。

■堂安 律(PSV)=★★★

 球際で負けず、狭い局面でも全く慌てない。簡単にボールを失わず、しっかりとつなぎもこなして日本の攻撃にリズムを生んだ。ただ、堂安自身のポテンシャルを考えれば、それにプラスして決定的な何かを見せたかったところ。ボールを取られないドリブル、さばくパスなど無難なプレーを選択していた印象で、個人的にはもう少し勝負してもいいと感じるシーンがあった。

■柴崎 岳(デポルティボ)=★★★★

 いつもどおりのパスワークで試合をコントロールし、特にゲームが膠着していた前半は長い距離を走って右サイドをオーバーラップし、ライン際でクロスを上げようとするなど、いつになく前への積極性を見せた。一方で守備面では、チーム全体の問題として前線からのプレスがはまらなかったため、ボランチが長い距離を走らされ、最後のところで相手に体をぶつけてファウルを取られるシーンも目立っていた。それは柴崎が本来求められる役割ではないが、裏返せばゲームの流れを見極め、要所で守備的な仕事をしっかりこなしたということ。チーム全体にとって得策とは言えないが、サボらずにやりきった点は評価に値する。

■橋本拳人(FC東京)=★★★

 柴崎と同様、守備面では広いエリアをカバーした。球際での守備ではレフェリーの判定に悩まされた部分もあるが、持ち味を発揮していた。ただ9月の2試合で評価を高めた攻撃への関与に関しては、大迫不在が大きく影響した印象だ。橋本の良さは、セカンドボールを拾った瞬間に2タッチ以内で鋭いくさびのパスを前線に入れられるというもの。その関係性は鎌田とはまだ築けておらず、特に前半は攻撃にリズムを生み出せなかった。

金田喜稔

かねだ・のぶとし/1958年生まれ、広島県出身。現役時代は天才ドリブラーとして知られ、中央大学在籍時の77年6月の韓国戦で日本代表にデビューし初ゴールも記録。「19歳119日」で決めたこのゴールは、今も国際Aマッチでの歴代最年少得点として破られていない。日産自動車(現・横浜FM)の黄金期を支え、91年に現役を引退。Jリーグ開幕以降は解説者として活躍。玄人好みの技術論に定評がある。

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