「タジキスタン戦出場14人」を金田喜稔が採点 異色の「攻撃センス」を絶賛した選手は?
W杯予選3連勝に導いた全選手を5段階評価 2ゴールの南野とスーパーセーブの権田に“5つ星”
日本代表は15日、カタール・ワールドカップ(W杯)アジア2次予選の敵地タジキスタン戦(ドゥシャンベ)に臨み、3-0で勝利した。前半はホームの大声援を受ける相手に押し込まれるなど苦しい時間を過ごしたが、後半8分にMF南野拓実(ザルツブルク)が日本代表史上2人目となるW杯予選開幕から3試合連続ゴールを決めて先制すると、2分後にも追加点。さらに同37分には、途中出場のFW浅野拓磨(パルチザン)が約2年ぶりのゴールを叩き込み、無失点でのW杯予選開幕3連勝を飾った。
モンゴル戦からスタメン4人を入れ替えながら、アウェーできっちりと勝ち点3を獲得した一戦を識者はどのように見たのか。1970年代から80年代にかけて活躍した「天才ドリブラー」で、解説者として長年にわたって日本代表を追い続ける金田喜稔氏が、この一戦に出場した全14選手を5段階で評価(5つ星が最高、1つ星が最低)。2ゴールと結果を残した南野、前半の決定的なピンチを防ぎ敵地での無失点勝利に貢献したGK権田修一(ポルティモネンセ)に5つ星を与えた。
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<FW>
■鎌田大地(フランクフルト/→後半35分OUT)=★★★★
最前線の選手としてはやはり得点に絡むことを求めたいが、この試合を“変えた”重要な存在となったのは鎌田だった。チーム全体が苦しんだ前半を終え、南野と入れ替わってシャドー的なポジションとなった後半に持ち味を発揮。ボールが集まると鎌田本来のセンスが輝きを放ち、キープからターンをして持ち出せば、広い視野を生かして味方も使う。相手のセンターバックはその動きに対し明らかに戸惑っていて、前半は機能していなかった日本の中央からの攻撃に可能性が生まれ、3得点につながるサイド攻略の布石になった。大迫のようなプレーはできないし、1トップが最適ポジションなのかは分からない。しかし鎌田が、卓越したセンスを武器に、日本の攻撃の幅を広げるオプションになることを証明したのは間違いないだろう。日本代表攻撃陣の“異色の存在”として、どんどん使ってほしい選手だ。
<MF>
■中島翔哉(ポルト/→後半19分OUT)=★★★
南野の先制点をアシストし、セットプレーのキッカーとしても何度もチャンスを作り出した。サイドのチャンスメーカーとして攻撃にリズムを生む存在ではあったが、モンゴル戦に続いてドリブルを仕掛けても最終的に引っかかってしまうシーンも見られるなど、決定的なシーンへの関与で言えば少し物足りなかった。1トップに大迫がいないことの影響が出ていたように感じる。
金田喜稔
かねだ・のぶとし/1958年生まれ、広島県出身。現役時代は天才ドリブラーとして知られ、中央大学在籍時の77年6月の韓国戦で日本代表にデビューし初ゴールも記録。「19歳119日」で決めたこのゴールは、今も国際Aマッチでの歴代最年少得点として破られていない。日産自動車(現・横浜FM)の黄金期を支え、91年に現役を引退。Jリーグ開幕以降は解説者として活躍。玄人好みの技術論に定評がある。