日本代表、前半苦戦の要因は? 相手の奮闘、人工芝…そして切り替えで生じた“ズレ”
切り替えの遅れが招いた危険なシーン 細部の詰めを徹底する必要性も
ただ、これらはあくまで外的な要因だ。試合ごとに変わることでもあり、アジアのアウェーでは常に覚悟して対処すべき点でもある。では、日本として改善できる部分はどうか。試合後、MF柴崎岳(デポルティボ・ラ・コルーニャ)が残した言葉にヒントがある。
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「相手の技術が思ったより高かったけど、日本としては切り替えのスピードがいつもより遅かったことと、攻めている時のポジショニングがいつもよりあいまいだった。奪えればいいけど、ひっくり返される場面は多かった」
攻守が入れ替わった際の反応がワンテンポ遅れ、陣形もやや崩れている状態のなか、ボールを奪い返しにいったところを外され、2列目にテクニシャンを揃えたタジキスタンに一気にボールを運ばれる。まさに前半、ピンチになりかけたシーンに共通するパターンだった。
実は試合前日、MF原口元気(ハノーファー)は「結構リスクのあるような取りに行き方をしているシーンもある」と現状を指摘していた。そのままボールを奪えれば再び攻守は入れ替わり、カウンターのチャンスが生まれる。しかし奪い切れなければ、背後に広大なスペースを与えてしまう。これまでのミャンマー、モンゴルよりも明らかに力のあるタジキスタンと対戦したことで、切り替えの際に生まれる“ズレ”がクローズアップされた側面もあるだろう。
これから相手のレベルが上がっていけば、より精度高く、抜け目なくスキを突いてくるチームも出てくる。勝っているなかでも細部の“詰め”をさらに徹底していくことが、今後は求められていくだろう。タジキスタン戦を教訓にチームの完成度が高まることにつながれば、45分間の“苦戦”は意味のあるものだったと言えるはずだ。