イタリア杯で痛快なる下剋上! 3部クラブがセリエA勢を連破し8強進出
3部首位アレッサンドリアの快進撃
イタリア杯ラウンド16で大波乱が起きた。3部相当レガ・プロのアレッサンドリアが、敵地でセリエAのジェノアを延長戦の末に2-1で撃破。8強に進出した。
後半立ち上がりの2分にアレッサンドリアが先制すると、ジェノアはたまらず温存していたエースFWディエゴ・ペロッティを投入。試合終了間際のアディショナルタイムに、そのペロッティが決めて追いついたが、延長後半9分にアレッサンドリアのFWリッカルド・ボカロンが決めて2-1と勝ち越し。そのまま勝利を収めた。
アレッサンドリアは1950年代までに通算13シーズンをセリエAで戦ったが、以降は最高でもセリエB。セリエC(現レガ・プロ)で長く戦っていた。そして2003年に経営破綻。6部相当のエッチェレンツァからの再スタートを余儀なくされていた。今季は開幕から好調で、15節を終えてリーグでは首位。1974-75シーズン以来のセリエB昇格を目指して戦っている。
決勝ゴールを決めたFWボカロンは、1989年生まれでインテルユース出身。当時は現ボローニャのFWマッティア・デストロの陰に隠れる存在だった。2009年からはインテルが保有権を所持したまま、国内外7つのクラブに1年間もしくは半年間でのレンタル移籍を繰り返してきた。今夏にアレッサンドリアが20万ユーロ(約2700万円)で保有権を買い取り、ついに安息の地を得ていた。
今大会のアレッサンドリアは、セリエBや同じレガ・プロの相手を破って4回戦に進出すると、セリエAのパレルモを破って16強に進出していた。ジェノアと合わせて、セリエA勢を連続で撃破したことになる。準々決勝では、ローマとセリエBから進出のスペツィアの勝者と戦う。アレッサンドリアが見せている3部からの快進撃は、どこまで続くのだろうか。
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サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images