「その悔しさは二度と味わいたくない」 2年ぶり代表弾の浅野拓磨、挫折が生んだ“強さ”
タジキスタン戦で途中出場し、ダメ押しの3点目 ロシアW杯出場決定弾以来のゴール
森保一監督率いる日本代表は15日、カタール・ワールドカップ(W杯)アジア2次予選タジキスタン戦(リパブリカン・セントラル・スタジアム)に臨み、3-0で勝利を収めた。チーム3点目を決めたFW浅野拓磨(パルチザン)は「個人的には悔しさのほうが多い」と吐露。1点に満足せず、前回逃したW杯出場に向けての強い意志を語っている。
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日本は前半、アグレッシブに試合に入ってきたタジキスタンに苦戦を強いられるが、後半に入ると巻き返す。同8分にMF南野拓実がヘディングで先制ゴールを叩き込むと、3分後には再び南野が決めて2点目。そして同37分には浅野がダメ押しのゴールを決め、タジキスタンに引導を渡している。
浅野にとって、日本代表でのゴールはロシアW杯行きを決めた2017年8月31日の最終予選オーストラリア戦(2-0)以来、約2年ぶり。後半19分からの途中出場と限られた時間の中で見事に結果を残したが、「ゴールには嬉しさもあるけど、試合が終わって個人的には悔しさのほうが多い」と明かす。ゴール以外で二つのチャンスを決め切れず、「今後に響くと思う」と唇を噛んだ。
一つのゴールに満足しない理由は明確だ。前述のように浅野はロシアW杯の出場権獲得に貢献したものの、本大会ではメンバーから落選する悔しさを経験した。与えられたチャンスを最大限に活かし、今度こそ本大会にたどり着くという強い意志が、浅野の原動力となっている。
「目指すべきところは、前回行けなかったW杯。その目標は今も変わっていないし、そのために何をすべきかは常に考えながらやっています。前回のように最後の最後で行けなくなるパターンもある。その悔しさだけは二度と味わいたくない」
一方で、焦りがあるわけではない。W杯出場を目標として見据えるなかでも、「目の前のことに対して100%やるのは変わらない」と日々の取り組みを捉え、「なかなかうまくいかなかったり、課題が出たりしても、焦りや慌てることは必要ない」という姿勢は崩さない。
今夏からセルビアの名門パルチザンに加入し、新たなチャレンジが認められて代表復帰も果たした。帰ってきた“ジャガー”には、挫折を経験したからこそ身につく“強さ”が備わっている。
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(片村光博 / Mitsuhiro Katamura)