「牽引車の轍~クラブリーダーのバイオグラフィー~」vol.5 川森敬史(アビスパ福岡・代表取締役社長) 人生で学んだ気くばりの本質
日増しに強くなる愛着を持って
私は、このクラブに居座ろうとか、名誉職に君臨しようなどとは全く思っていません。やはりアビスパを牽引していくリーダーは、福岡の人間、アビスパで育った人間、地元愛のある人間が理想です。そうなるまでのミッションとして、一定期間、私ができること、アパマンができることをしようと心に決めています。
ただもちろん、愛着が日増しに強くなっているのも事実です。現場とフロントスタッフ、家族も含めて全員でバーベキューをしたり、20周年記念イベントのときに井原正巳監督の誕生日をみんなで祝ったりする中で、本当にクラブ全体が良い雰囲気で進んでいる実感もあります。イベントで来日していたピッコリ(元選手・監督)が「今はこんなに明るい雰囲気になっているのか!?」と驚いていたことも、すごくうれしい反応でした。
今年、クラブは社長も、強化部長も、監督も、全てが新体制でスタートしました。心配の声をいただきながらも、当初の「J1昇格」という大きな目標に向かい、クラブ一丸で必死に戦っています。そして、その目標が手の届くところまで来た今、あらためてこの言葉が胸に響きます。
「謙のみそれを成す――」
現場もフロントも一体となって、この先も永遠に続く道を、踏み外すことなく歩んでいこうと思います。
【了】
profile
川森敬史(かわもり・たかし)
1965年 東京都渋谷区に生まれる。
1981年 埼玉県立川越工業高校に入学。
1984年 高校卒業後、家業の工務店で営業などを担当。
1991年 株式会社エドケンコムズに入社。
2003年 株式会社アパマンショップネットワークに入社。
2006年 同社代表取締役社長に就任。
2013年 株式会社あるあるCity 代表取締役社長に就任。
2014年 アパマンショップホールディングスグループによるアビスパ福岡株式会社への出資が決定。社外取締役に就任。
2015年 アビスパ福岡株式会社 代表取締役社長に就任。
老野生智明●文&写真 text & photo by Tomoaki Oinosho
【了】
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images