日本代表、人工芝ピッチが試合に与える影響は? ポイントは“散水の有無”と“慣れ”か
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シント=トロイデンでの“経験者”遠藤が指摘 「水を撒けばそこまで大差はない」
日本代表は12日、アウェーでのカタール・ワールドカップ(W杯)2次予選タジキスタン戦(15日)に向けて、試合が開催されるリバブリカン・セントラル・スタジアムで練習を行った。同会場はA代表の国際試合では珍しい人工芝のピッチとなっているが、プレーへの影響はどれほどのものになるのだろうか。
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ピッチ状態は試合にも大きな影響を与えるだけに、感覚のすり合わせは必須。朗報は、試合会場となるスタジアムで継続的に練習できる見込みとなっていることだろう。人工芝であるがゆえに、ピッチの負担を考慮してスタジアムで満足に練習できない、ということはない。12日の練習を終えた選手たちには、人工芝に関する質問が多くぶつけられることになった。
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そのなかでも、MF遠藤航(シュツットガルト)は昨季までシント=トロイデンでプレーし、同クラブのホームスタジアムが人工芝ということもあり、選手目線での捉え方を詳しく語った。今回の会場を「普通の人工芝という感じ」と評したうえで、“散水の有無”によって生まれる変化の大きさに言及している。
「水を撒けばそこまで(天然芝と)大差はない。もちろん動いていくと疲労感の違いはあるし、若干引っかかったりします。でも、水を撒かないとバウンドが違ったりするので、そこは気を付けないといけないかなという感じですね」
ボランチの遠藤は攻守の要を担い、パスワークでは中心となるだけに、「(水を)撒かないとまっすぐのボールでもちょっと揺れることも、なくはない」と警戒する部分もある。とはいえ、状態の悪い天然芝とは違い、「ボコボコしているわけではないので、基本的には普通にボールは動かせるイメージでいます」とも明かした。発生する“変化”に個人レベルで対応しつつ、チームとしてはあくまで普段どおりのサッカーを展開することが第一となりそうだ。
もちろん、一口に“対応”と言っても、普段と大きく異なる環境への順応は決して簡単ではないだろう。現在のチームで屈指の経験値を誇るGK川島永嗣(ストラスブール)は、大きな違いとして「ボールのスピード感やバウンドの仕方」を挙げ、「個人個人が限られた時間のなかで慣れていくしかない」と指摘した。
特に、一つのプレーや判断の遅れが失点に直結し得る守備陣にとっては、細心の注意を払うべき要素であることも間違いない。各々が自身のポジションや役割を踏まえ、短い準備期間で最適な対応をしていくことが、タジキスタン戦では一つのポイントと言えるだろう。
(片村光博 / Mitsuhiro Katamura)