大迫不在の日本は「小さなチームになってしまう」 6-0快勝も…英記者が感じた不安要素

「ファイナルサードで冷酷さを示せない」と攻撃面の課題を指摘

 それでも日本は前半22分から40分までの18分間で、4ゴールを挙げた。それが日本にとって必要なものだったが、相手が格下であり、心配することがそれほどないと分かっていたにもかかわらず、サムライブルーはその力を出し切ることができたのだろうか。

 それとも、これは単純に日本がファイナルサード(ピッチの相手ゴール前の3分の1)で冷酷さを示せないという、これまでにも長い間、代表チームが苦しみ続けてきた問題が、再び表されたというサインの一つに過ぎないのだろうか? 特に中盤では美しく、キレ味のあるサッカーを見せる日本だが、早い段階で相手を仕留めてしまう強さは、今も欠けているように映るのだ。

 大迫が持つ攻撃的な能力抜きでは、日本はファイナルサードでの怖さを欠いていた。FW永井謙佑は、ペナルティーエリア内で大迫と同じレベルの脅威を与えることはできないばかりか、ブンデスリーガのスタープレーヤーとは、周囲とリンクするプレーのレベルも異なっている。

 そしてこのことは、次の火曜日にドゥシャンベで行われるタジキスタンとの試合に向けて、森保監督の頭を悩ませることだろう。

 今年1月にUAEで開催されたアジアカップの時も、同じような傾向が見られた。大迫が欠場した際、対戦相手の力が劣る場合でも日本の欠点は明確になった。

 大迫不在の日本は、全く違う、小さなチームになってしまう。このような快勝の後に、何を小言を言っているんだと思われるかもしれない。しかし、この日の相手が実力差のあるモンゴルだったことが、日本を安堵させた最大の要素となったのは間違いないだろう。

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マイケル・チャーチ

アジアサッカーを幅広くカバーし、25年以上ジャーナリストとして活動する英国人ジャーナリスト。アジアサッカー連盟の機関紙「フットボール・アジア」の編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、ワールドカップ6大会連続で取材。日本代表や日本サッカー界の動向も長年追っている。現在はコラムニストとしても執筆。

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