大迫不在の日本は「小さなチームになってしまう」 6-0快勝も…英記者が感じた不安要素
W杯予選2連勝の森保ジャパン 格下のモンゴル相手に圧勝したが…
日本代表は10日、カタール・ワールドカップ(W杯)アジア2次予選の第2節でモンゴルと対戦した。序盤からボールを保持してモンゴルを圧倒した日本は、前半22分にMF南野拓実(ザルツブルク)が決めたW杯予選2試合連続となるゴールで先制すると、前半だけで3得点を上積みした。後半も2ゴールを加えた日本は、モンゴルにシュートを1本も許さずに6-0で勝利した。
かつてアジアサッカー連盟の機関紙「フットボール・アジア」の編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、W杯を6大会連続で取材した英国人記者のマイケル・チャーチ氏は、イラン、韓国、さらには中国が日本以上に大差をつけて勝利を収めたことを指摘。そして、この試合を負傷のため欠場したFW大迫勇也(ブレーメン)がピッチに立っていれば、結果はさらに良くなっていたとしている。
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FW大迫勇也(ブレーメン)は、モンゴルのようなアジアのサッカーでも格下の対戦相手との試合も、決して欠かすことのできない存在だった。木曜日の夜に埼玉スタジアムで行われた試合に彼がいれば、不均衡だった試合にさらなる差がつけられていたことは、ほぼ間違いないだろう。
この夜、アジアの各地でワンサイドゲームが繰り広げられた。日本の6-0の勝利は、元日本代表MF本田圭佑が率いるカンボジア代表がイラン代表に0-14の大敗を喫したゲーム、あるいは韓国がスリランカを8-0で下したゲームに比べると、控えめなものだった。
長年にわたってアジアで不振の続いている中国でさえ、日本よりも多くのゴールを決めグアムに7-0で勝利している。
このような一方的なゲームでは得てして起こりえることだが、森保一監督にとって、自身のチームについて学ぶことは少なかっただろう。確かにDF長友佑都(ガラタサライ)は、10年ぶりのゴールを決めた。MF伊東純也(ヘンク)とDF酒井宏樹(マルセイユ)のパフォーマンスは、チームに勢いをもたらすものだった。しかし、他国よりも格下相手に得点を挙げられなかったのだから、疑問も持たれるべきだろう。
試合開始から15分が経った時、モンゴルの抵抗がハーフタイムまで続けば、日本が自分たちに疑念を持ち始め、難しいゲームになるであろうことは明確だった。ボールと試合を支配しながらも、ゴールはなかなか決まらなかったからだ。
マイケル・チャーチ
アジアサッカーを幅広くカバーし、25年以上ジャーナリストとして活動する英国人ジャーナリスト。アジアサッカー連盟の機関紙「フットボール・アジア」の編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、ワールドカップ6大会連続で取材。日本代表や日本サッカー界の動向も長年追っている。現在はコラムニストとしても執筆。