帽子にイヤホン…「なんじゃこいつ」 恩師が明かす、鎌田大地の“変貌”秘話
「本当は彼が一番、朝練なんかしたくない」…主将になって“変貌”
鎌田は変わった。チームのことを考え、まずは自分から。自主練習が終わった後、Bチームの練習も見て仲間を気にかけた。サッカーに集中するため、ルールも作った。朝、登校したら福重監督のところへ携帯電話を預ける。徐々にチームがまとまっていった。
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「足りないものを理解しているし。自分が最終学年でやらなという感覚のなかで、エゴイストにFWだけやっていればいいというだけじゃなく、チームをまとめないと、という感覚は持っていた。本当は彼が一番、朝練なんかしたくない。携帯なんか預けたくない、そういうことをしたくない(笑)。反対することを彼が率先して言うから、みんなやらざるを得ないし、やろうか、と。本当に良くなっていった」
鎌田が変わるまで、分かるまで、指揮官は何度も話した。ベンチで横に座らせて、3年生になってもとことん伝え続けた。「上手くいかなかったら、プイっとすることもあった」というが、プロを目指すと決めていたからこそ「それやったら上にいけないという話もして。大地自身が足りないことに気付いて、成長すれば自然とチームは上がると彼には言ってましたね」。最後には頼れる「主将」に、鎌田はなった。
あの時の精神面の成長がなければ、プロに進んでいなかったかもしれない。でもあの“ヤンチャ”な姿があったからこそ、今があるのかも知れない。鎌田にとってそれだけ高校3年間はかけがえのないものだったはずだ。