3戦連発の南野拓実、絶好調をキープする理由 “号泣”したあの日が第一歩
森保ジャパンで3戦連発、最多8点目をマーク
日本代表MF南野拓実(ザルツブルク)が大きな成長を遂げている。日本代表は10日、カタール・ワールドカップ(W杯)アジア2次予選モンゴル戦(埼玉)で6-0と快勝。南野は前半22分にMF伊東純也(ヘンク)の右クロスを頭で合わせて先制点を挙げた。9月シリーズの国際親善試合パラグアイ戦(2-0)、W杯予選ミャンマー戦(2-0)に続く3戦連発で、森保ジャパン最多の8点目。所属クラブでも絶好調を維持する男を突き動かすものは、一体なんなのか。
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均衡を破ったのは、やはり背番号9だった。0-0の前半22分、DF酒井宏樹(マルセイユ)とMF伊東純也(ヘンク)がワンツーで抜け出し、伊東の右クロスに反応。ゴール前でフリーとなり、ドンピシャの右クロスを鋭いヘディングシュートで決めた。今季は所属クラブで公式戦11試合6得点8アシスト。これに加えて、国際Aマッチでも3試合連続ゴールと絶好調をキープしている。
森保ジャパンでも最多の8点目。負傷で不在だったエースFW大迫勇也(ブレーメン)の穴を誰が埋めるかに注目が集まったが、もう“アピール”にこだわるだけではなく、決定力の高さと安定感で攻撃陣を牽引した。「チームとして早い時間にゴールが欲しかった」。現地時間2日のUEFAチャンピオンズリーグ(CL)リバプール戦(3-4)で1ゴール1アシストと活躍し、深めた自信はこの日も光った。
南野自身、この瞬間のために海外への道を一歩踏み出したと言っても過言ではない。2015年1月、セレッソ大阪の下部組織で育った南野はザルツブルクへの移籍を決意した。当時19歳。14年シーズンは元ウルグアイ代表FWディエゴ・フォルランが加入し、優勝候補と騒がれたチームがまさかのJ2降格を強いられた。エースだったFW柿谷曜一朗が夏にスイスへ移籍し、次世代の期待の星だった南野はシーズン2得点と思うような結果は残せず、1人降格の責任を負った。
だからこそ、決意した「もっと強くなる」こと。14年12月、緊急渡欧してザルツブルクと交渉し、海外へ移籍する意思を固めた。当時、就任したばかりの大熊清強化部長(現チーム統括部長)はもちろん慰留に努めたが、南野の姿に心を動かされた。