久保建英は「マジョルカで愛されている」 スペイン記者証言も…立ちはだかる“二つの壁”
エスパニョール戦で3試合ぶりのベンチスタート チームは開幕戦以来の今季2勝目
マジョルカの日本代表MF久保建英は、6日にホームで行われたリーガ・エスパニョーラ第8節エスパニョール戦で3試合ぶりのベンチスタートとなった。
久保は9月25日に行われた本拠地ソン・モイシュでの第6節アトレチコ・マドリード戦(0-2)で、開幕から5試合連続でスタメンを務めたMFアレイシュ・フェバスに代わり初の先発出場。後半2分にはチーム最大のチャンスを作り、エリア内からの右足シュートで4年連続のサモラ賞(リーガ最優秀GK賞)を獲得している名手ヤン・オブラクを脅かした。
その4日後のアウェー第7節アラベス戦(0-2)でも久保は、6試合連続スタメンのMFダニ・ロドリゲスに代わり2戦続けて先発出場。しかし、この日は右サイドで待てどもほとんどボールは入らず、チームも3連敗を喫して6戦未勝利となった。
低迷を続けるチームの起爆剤として、エスパニョール戦でもスペイン各紙はこぞって久保の3戦連続の先発起用を推していた。しかしビセンテ・モレノ監督の下した決断は、再び原点に戻るというものだった。
そのスタメンの顔ぶれは、マノーロ・レイナ、ジョアン・サストレ、マルティン・ヴァリエント、ライージョ、フラン・ガメス、イドリス・ババ、ロドリゲス、サルバ・セビージャ、ラゴ・ジュニオール、アンテ・ブディミル、そしてフェバス。今季の新加入選手で唯一スタメンの座を勝ち取っているフェバスは、レアル・マドリードの下部組織出身で、久保がプレーしたカスティージャ(レアルB)でも活躍した選手である。
そして勝利していた第1節エイバル戦(2-1)との唯一の違いは、DFフラン・ガメスがDFルモール・アグベニェヌに代わり、左サイドバックで2試合続けてスタメン出場したのみである。
前節終了時点で1勝1分5敗で19位のマジョルカは、1勝2分4敗で18位と同じく低迷しているエスパニョールと、シーズン序盤ながらも残留争いの直接対決を行なった。
日曜正午キックオフはスペインでは早い時間帯。10月上旬ながらマジョルカ島の気温は30度近く、快晴の午後を楽しむ親子連れのサポーターたちの姿が目立つ。
高橋智行
たかはし・ともゆき/茨城県出身。大学卒業後、映像関連の仕事を経て2006年にスペインへ渡り、サッカーに関する記事執筆や翻訳、スポーツ紙通信員など、スペインリーグを中心としたメディアの仕事に携わっている。