浦和を奮起させた“決戦ムード” サポーターの“レッズ魂”に監督感謝「一緒に戦ってくれた」

大槻監督がサポーターに感謝の言葉を残した【写真:高橋学】
大槻監督がサポーターに感謝の言葉を残した【写真:高橋学】

天皇杯でJFLクラブに敗れるなど苦しむなか、清水を破り公式戦9試合ぶりの勝利

 浦和レッズは6日に行われたJ1第28節清水エスパルス戦で2-1の勝利を収め、リーグ戦で9試合ぶりの勝利を飾った。ホームでのリーグ戦勝利は、7月6日のベガルタ仙台戦(1-0)以来11試合ぶり。大槻毅監督は、試合前から決戦ムードを作り上げたサポーターに感謝の言葉を残した。

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 浦和はAFCチャンピオンズリーグ(ACL)で準決勝まで進出している一方で、リーグ戦では不振を極めてきた。前日のゲームで16位サガン鳥栖が首位FC東京を下したことで、その勝ち点差は1になっていた。清水もまた浦和から勝ち点3差しかなく、残留争いの直接対決と言えるゲーム。今後のACLを含めた過密日程を見据えれば、浦和にとって大一番だった。

 チームバスが到着した際、浦和サポーターはスタジアムの入り口で大合唱で迎えた。バスはサポーターの前で一時停止し、その声を受け止める時間を作ったかのようだった。そして、普段は静かに見守ることの多いウォーミングアップの時間から、浦和サポーターは強烈な声援を起こした。試合後、この日1得点のFW興梠慎三が「あの声で迎えられて、気合いが入らない人なんていない」と話したほど、大きな力になった。

 試合は前半19分にセットプレーから先制点を許す苦しい展開。それでも前半終了間際に興梠のゴールで追いつくと、後半には20歳のMF橋岡大樹が決勝ゴールを決めた。試合後のスタジアムには、勝利後の“儀式”とも言える「We are Daiamonds」をサポーターと選手が分かち合う時間が久しぶりに訪れた。

 大槻監督はクラブの分析担当としても長く在籍してきた経験を持つ。下部組織でも指導し、橋岡もユース時代の教え子だ。ある意味では指導者として浦和の生え抜きとも言える。昨季に暫定監督を6試合務めたものの、正式な就任は今季の途中就任で約4カ月間。トライ&エラーを繰り返す難しい時期を過ごしてきた。

 そんななかで、9月25日には天皇杯ラウンド16でJFLのHonda FCに敗戦。試合後には大ブーイングを受け、さらにスタジアム出口で対話を望むサポーターに対してはチームバスを停車させて、大槻監督が下車して応じる姿もあった。同じバスを停車させたのでも、この日のそれとはまったく意味が違うものだった。

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