「感動的な瞬間」 飛行機事故の生存者DF、犠牲者へ向けた“魂の叫び”パフォが話題に

シャペコエンセ時代のルシェウ【写真:Getty Images】
シャペコエンセ時代のルシェウ【写真:Getty Images】

墜落事故の生存者で唯一の現役選手ルシェウがゴール後にパフォーマンス

 ブラジルのシャペコエンセは、2016年11月28日に起きた飛行機事故によって所属する選手、監督、チームスタッフの数多くが犠牲となった。事故では搭乗していた選手22人の中で生存したのが3人だけ。そのうちの1人、現在はゴイアスでプレーするDFアラン・ルシェウが1-0で勝利を収めた現地時間9月30日のリーグ第22節クルゼイロ戦で決勝点を挙げた。ゴール後、犠牲者や元同僚に向けたパフォーマンスが話題を呼んでいる。

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 ルシェウは総勢71人が犠牲になった飛行機の墜落事故でGKジャクソン・フォルマン、DFエリオ・ネトとともに奇跡的に一命をとりとめた1人。だが、フォルマン氏は右足を切断して現役引退を余儀なくされ、ネト氏は事故による負傷で手術を受け、プレー再開のためにリハビリに励んだが、ユニフォームを脱ぐことを選択した。現役生存者のなかで唯一の現役選手となったルシェウも脊髄の手術を行ったが、その後公式戦に復帰。今季からはゴイアスでプレーしている。

 そのゴイアスは9月30日、リーグ・クルゼイロ戦に臨んだ。0-0で迎えた後半17分、密集した右サイドからスピードあるグラウンダーのクロスが入ると、逆サイドから上がったルシェウがニアサイドに決めてゴール。これが決勝点となり、1-0で勝ち切った。

 ゴール後、ルシェウはカメラに向かってパフォーマンス。スペイン紙「ムンド・デポルティーボ」は「コーナーフラッグへ向かい、近くのカメラに向かってラミア航空2933便墜落事故の犠牲者71人へ敬う気持ちを叫んだ」と伝え、「サッカー界に感動的な瞬間を与えた」としている。

 ゴイアスの公式ツイッターではその様子が動画で伝えられ、ファンからは「彼はどこに行っても素晴らしい選手」「真の戦士」と反響を呼んだ。

 事故から約3年――。今後、悲しい事故が二度と起きぬよう願いながら、ルシェウは自身の姿で体現し、その思いを伝えていくだろう。

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