不滅のイブラヒモビッチ、EURO史に残る“曲芸バックヒール弾”に再脚光 「キング」
2004年のEUROイタリア戦で決めた伝説の一撃を、大会公式SNSが回顧
元スウェーデン代表FWズラタン・イブラヒモビッチは3日、38歳の誕生日を迎えた。これまで在籍したクラブなどが、それぞれの公式SNSで祝福の投稿を行っているなか、「EURO2020」公式インスタグラムは2004年大会でイブラヒモビッチが決めたアクロバティックなバックヒール弾の動画を公開。ファンからの反響を呼んでいる。
母国のマルメで1999年にデビューしたイブラヒモビッチは、その後オランダの名門アヤックスを足がかりにイタリアのユベントスとインテル、スペインのバルセロナ、再びイタリアに戻ってACミラン、フランスのパリ・サンジェルマン(PSG)、イングランドのマンチェスター・ユナイテッドと各国の名門クラブを渡り歩き、“優勝請負人”として数々のタイトルをもたらしてきた。
2018年にMLS(メジャーリーグサッカー)のLAギャラクシーに移籍すると、1年目で27試合20得点とゴールを量産。今季も28試合29得点とキャリアハイの得点率を叩き出しており、38歳となった今も衰えを見せていない。
そんなイブラヒモビッチは“得点力”だけでなく、これまで多くの“規格外”と言えるゴールを決めてきたことで知られる。その代表格と言えるのが、幼少期に習ったテコンドーの技術を生かし、ハイボールをアクロバティックなキックで捉える一撃だが、「EURO2020」公式インスタグラムは2004年の欧州選手権(EURO)ポルトガル大会で生まれた伝説のゴールを回顧している。
今も語り継がれるゴールが生まれたのは、2004年6月18日に行われたグループリーグ第2戦のイタリア対スウェーデンの一戦だった。1点を追うスウェーデンは後半40分、左CKからペナルティーエリア内でヘディング、右足キック、ヘディングと相手と競り合いながらつなぐと、ボールがゴール前で高くワンバウンド。これをイタリアのGKジャンルイジ・ブッフォンがキャッチしようと前に出るが、一瞬早くイブラヒモビッチが落下地点に入ると、ブッフォンをブロックするようにジャンプして体を捻りながら、右足のバックヒールでシュートを放つ。ボールは絶妙なループシュートとなってゴール左上隅に吸い込まれた。この試合を1-1で終えたことで、スウェーデンはベスト8進出。一方のイタリアはグループリーグ敗退に終わったことで、両国の明暗を分ける一撃となった。
「偉大なゴールの得点者」との一文が添えられて動画が公開されると、コメント欄には「スウェーデンの王様」「ライオン」「ズラタンのみ!!」「最高」「素晴らしいゴール」などの声が上がった。
当時まだ22歳だった長身ストライカーは、その後偉大なキャリアを歩んで現在に至る。38歳となった今も輝きを失わないイブラヒモビッチは、今後も観る者を驚かせるゴールを決めてくれそうだ。