今季最悪の内容も…久保建英を“無視できない” マジョルカ監督が次戦で示す答えは?
アラベス戦で2試合連続スタメン出場も、相手の激しい守備に遭い沈黙
スペイン1部マジョルカの日本代表MF久保建英が、9月29日にアウェーで行われたリーガ・エスパニョーラ第7節アラベス戦で2試合連続のスタメン出場を果たした。
アラベスはスペイン北部、バスク州の州都ビトリアを本拠地にするクラブで、昨シーズン後半にMF乾貴士(現エイバル)がプレーしたことで知られている。またビトリアは、美味しいピンチョスを味わうことができる美食の街でもある。
久保は第3節バレンシア戦 (0-2)、第4節アスレティック・ビルバオ戦 (0-0)、第5節ヘタフェ戦(2-4)と試合を重ねるごとに出場時間を増やし、初スタメンを飾った第6節アトレチコ・マドリード戦(0-2)では、後半開始直後にあと一歩でゴールというチーム最大のチャンスを作るなど、マジョルカで最も目立つ存在となった。
しかし、その試合後の記者会見でビセンテ・モレノ監督は、地元記者からアトレチコ相手に大きなインパクトを残した久保の印象について問われると、同様の質問を毎回繰り返されることに嫌気が差していることを明かした。一方で、その存在が無視できないものになったことも確かであり、その証拠にアラベス戦に向けた久保のスタメン入りについて、スペインメディアでも意見が分かれた。結局、指揮官はここまで全試合に先発出場していたMFダニ・ロドリゲスの代わりに、久保を2試合連続で先発起用し、いつも通り4-1-4-1の右サイドハーフに配置した。
この試合は、5戦連続未勝利同士の対戦となった。マジョルカは1勝1分4敗で2連敗中の19位、アラベスは1勝2分3敗で3連敗中の17位と低迷しており、シーズン最初の“残留争い直接対決”と目されていた。
この試合に敗れた場合、解任になる可能性が高かったアシエル・ガリタノ監督率いるアラベスの気持ちのこもったプレー、そしてゴール裏に陣取り、休むことなく応援旗を振り続けるウルトラス“イラウルッツァ1921”を中心とした熱狂的なホームチームヘの後押しと対戦チームへの激しいブーイングにマジョルカは苦しみ、久保もボールをほとんど受けることなく、試合を通じて何度も激しく倒される場面があった。
そんななかでも久保は前半14分に縦への突破を試み、同27分には厳しいマークを受けていたMFムバラク・ワカソからイエローカードを引き出す突破を見せた。一方、後半はほぼ何もできなかった。
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高橋智行
たかはし・ともゆき/茨城県出身。大学卒業後、映像関連の仕事を経て2006年にスペインへ渡り、サッカーに関する記事執筆や翻訳、スポーツ紙通信員など、スペインリーグを中心としたメディアの仕事に携わっている。