ランパード監督、“スパイ前科”のビエルサ監督のフェアプレー賞に苦言 「不可解な決定」
負傷者がいるなかで決めた1点を返させるべく、相手に得点させるように選手に指示
チェルシーのフランク・ランパード監督が今年のFIFA年間表彰式「The BEST」で英2部リーズ・ユナイテッドを率いるマルセロ・ビエルサ監督がフェアプレー賞を受賞したことに驚きを隠せないようだ。昨季、ダービー・カウンティを率いていたランパード監督はビエルサ監督によるスパイ騒動の被害者となっていたからだ。英公共放送「BBC」が報じている。
リーズの受賞の要因となったのは昨季のチャンピオンシップ(英2部相当)第45節(2019年4月28日)のアストン・ビラ戦での一幕だ。リーズは後半27分にMFマテウシュ・クリヒのゴールで試合の均衡を破った。しかし、その場面ではアストン・ビラの選手が負傷で倒れているにもかかわらず、リーズがプレーを続けたことが問題となり、両軍入り乱れる乱闘騒ぎへと発展してしまう。
その後、試合は1-0で再開となるが、ビエルサ監督は選手たちに動かず、相手に得点させるように指示を出した。アストン・ビラはMFアルバート・アドマーが1人で持ち込んでゴールを決め、試合は振り出しに戻った。
リーズは当時リーグ3位につけており、プレミアリーグ昇格に向けて是が非でも勝ち点が欲しい試合だった。そうした状況で見せたビエルサ監督とリーズの振る舞いについて、FIFA(国際サッカー連盟)は称賛を送り、フェアプレー賞という形で表彰した。
それでも、ランパード監督はリーズとビエルサ監督へ素直に拍手を送ることはできないようだ。「私は皮肉だと思った」と率直な意見を述べている。