前タイ代表監督が森保ジャパンに感銘 「すごく良いチーム」と絶賛した理由とは?
森保監督の選手との距離感
トレーニングの前後に森保監督が、選手と笑顔で接したり、1対1で話し込んだり、選手とコミュニケーションを取っている姿をよく見かける。
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スタッフによれば、森保監督は選手の立場で物事を考え、選手それぞれによって、自分のアプローチ方法を変えていく。自分から何かを与える、自分が作るというのではなく、選手と一緒にチームを作っていくというスタンス。だからこそ、選手との対話に重きを置く。
シリサック氏は日本代表を「戦術的なバラエティーもあってすごく良いチーム」「戦い続ける姿が常に見られる」と高く評価する。
森保監督は、試合の状況に応じて臨機応変に、選手それぞれの判断で一番良い答えを出すことを要求するという。一瞬一瞬、ピッチの中で繰り広げられる選手たちのアイデアや柔軟性、特に攻撃面で味方を活かすプレーは、シリサック氏の眼に魅力的なサッカーとして映ったのだろう。そして、勝っていても負けていても、最後までクオリティーを落とさずにやり続ける、勝利を目指して最後まで戦い抜く姿勢は、森保監督が繰り返し伝え、求めていること。それが試合を通し、他国の監督の目にしっかりと留まっていたのだ。
日本代表を称えるシリサック氏にとって、母国リーグにおける日本人選手の増加も関心事の一つだという。「タイリーグで日本人選手がプレーすることについて、どう思っているか」を訊くと、こう返ってきた。
「日本人が来てくれることで、タイの選手やチームのレベルがかなり上がったと思います。タイでは、日本人の選手と分かると認められます。日本人選手はチームのレベルを上げることができるので、アジアの選手というと、初めに日本人選手から目をつけるようにしています」(シリサック氏)
優れたスキルはもとより、規律を守り、オン・オフを問わずサッカーに向き合うプロ意識の高さは、タイのチームが浸透させたい日本人選手ならではの良さなのかもしれない。
W杯アジア予選は続き、森保ジャパンは10月10日にホームでのモンゴル戦を控える。一方、西野監督が指揮するタイ代表は、10月15日にホームでUAEと対戦する。ピッチに立つのは、国の代表として相応しいプロフェッショナルな選手たち。W杯へ――次の戦いが迫っている。
(Noriko NAGANO)