野津田と柴崎の故障退場に関与のオークランドDF岩田 自身も額を7針縫う裂傷に「しっぺ返しかな」
背番号のないユニフォームが示したもの
その際、ユニフォームに血がついてしまい、着替える必要に迫られた。しかし、ピッチに戻った岩田のウェアには背番号がついていなかった。その事情を、こう話した。
「血がついてしまってユニフォームが着れなかった。(ルール上の)問題があったのかは僕にも分からない。僕らはプロではなくお金がないので、替えのユニフォームがなかった。多分、雨だったので広島の選手は予備のユニフォームにハーフタイムで着替えたのかもしれないけど、僕らはハーフタイムでも着替えずに前半と同じユニフォームでプレーしていました」
決して恵まれた環境にない中で、空模様はあいにくの雨。それでも予備のウェアでピッチに戻った岩田は、直後に勇敢にもヘディングでロングボールをカットした。「負けている状態で悔しかったし、満足のいくプレーができていなかった。怪我に関係なくできる限りのプレーをしたかった」と、最後まで諦めない姿勢でプレーした。
自身にとっては残念な敗戦になった。相手の故障に絡むアクシデントもあったが、日本で見守る仲間たちやサッカーファンにも、オセアニアでプレーする日本人DFの姿は記憶に残っただろう。ヨーロッパでプレーするのとはまた違った“海外組”だが、サッカーで世界がつながっていることを強く感じさせる一戦になった。
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サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images