久保建英が挑むマジョルカの“固い絆” 「高いクオリティー」で変革の旗手になれるか
初アシストを記録したヘタフェ戦、スタメン出場は果たせず
日本代表MF久保建英がマジョルカに期限付き移籍して約1カ月が経過するなか、9月22日にアウェーでリーガ・エスパニョーラ第5節ヘタフェ戦に臨んだ。対戦の地ヘタフェは、スペインの首都マドリード近郊に位置し、昨シーズンまで日本代表MF柴崎岳(デポルティボ・ラ・コルーニャ)が所属したクラブである。
久保は加入直後の第2節レアル・ソシエダ戦 (0-1) はメンバーを外れたが、その後バレンシア戦 (2-0)、アスレティック・ビルバオ戦 (0-0) と途中出場を果たし、今回のヘタフェ戦では3試合連続のベンチスタートとなった。
前節ビルバオ戦で久保は、PK獲得という見せ場を演出し、マジョルカにとっての大きな戦力になることを周囲に知らしめた。この日のパフォーマンスにより実力が認められ、本当の意味でようやくチームの一員になったと言えるだろう。
ヘタフェ戦では久保にスタメンのチャンスが初めて与えられる可能性も報じられていたが、マジョルカでのスタメン入りの壁は非常に高いようだ。ビセンテ・モレノ監督が長年にわたり構築してきたチームで、新参者がレギュラーを勝ち取るのは難しいように思われる。
なぜならマジョルカは、モレノ監督がチームを率い始めた2017-18シーズンに3部から2部、そして昨季2部から1部へと2年連続で昇格を果たしたチームであり、7シーズンぶりの1部挑戦となる今季開幕からの3試合すべてを同じ11選手で戦っていた。そのうち9選手が1部昇格に貢献したメンバーで、そのなかの5選手は3部時代からの選手たちとなっている。
モレノ監督と選手の絆は非常に深い。そのため、今夏の新加入組でレギュラーの座をつかむことができたのは、左サイドバックのDFルモール・アグベニェヌとMFアレイシュ・フェバスのみとなっている。モレノ監督は第4節ビルバオ戦で初めてスタメンに変化をもたらしたが、それは戦術的なものではなく、変更せざるを得なかったためである。アグベニェヌが書類上の手続きで母国ガーナに帰国していたため、同じく今夏入団のDFババ・ラフマンが先発出場。スタメンが入れ替わるのは、この時が初めてだった。
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高橋智行
たかはし・ともゆき/茨城県出身。大学卒業後、映像関連の仕事を経て2006年にスペインへ渡り、サッカーに関する記事執筆や翻訳、スポーツ紙通信員など、スペインリーグを中心としたメディアの仕事に携わっている。