「信じられない瞬間」 躍動感あふれるセービングが世界に拡散「シンプルに無視できない」
エジプト1部開幕戦で生まれたスーパーセーブに脚光 「アクロバティックな巻き返し」
サッカーにおけるエジプトといえば、近年はリバプールの同国代表FWモハメド・サラーの活躍が印象的だが、国内1部リーグで生まれたスーパーセーブが話題となっている。“主役”となったのはエンピSCのGKマフムード・ガドだ
舞台はリーグ開幕戦のピラミッドFC対エンピ。いずれもカイロを本拠地とするチーム同士の対戦となったなか、前半29分にピラミッドが先手を取る。そして2分後の同31分、スーパーセーブが生まれた。
1点を返すために攻め込むエンピを尻目に自陣からのカウンターを発動したピラミッドは、ディフェンスラインの裏にロングボールを送り込む。これはエリア外まで飛び出したGKガドがダイビングヘッドでクリア。一旦はチャンスが潰えたかに見えたが、クリアされたボールはピラミッドの選手の下へ。ダイレクトでボレーシュートを放つと、ボールはループ気味の軌道を描きながらしっかりと枠を捉えており、エンピは万事休すかと思われた。
しかし、守護神のガドは諦めていなかった。自身のクリアが相手に渡りそうなことを察すると、すぐさま起き上がって自陣ゴールへとダッシュ。ゴール直前で身を投げ出して両手を伸ばすと、バレーボールのレシーブのようにしてシュートをゴールの枠外へかき出すことに成功したのだ。最後まで諦めないマインドがもたらしたスーパーセーブは現在、世界中に拡散されている。
英メディア「GIVE ME SPORT」は「エジプト人GKは信じられない瞬間を作り出し、シンプルに無視できないものだった」として今回のセービングに注目。さらに英紙「デイリー・メール」は「自らペナルティーエリアを飛び出してからのアクロバティックな巻き返し」と見出しを立て、躍動感あふれるプレーで見せ場を作ったことを伝えている。
リードを広げられることを回避したエンピは前半を耐え抜いて0-0で後半を迎えたものの、後半10分、23分、34分と失点を重ね、最終的には0-4の大敗。ガドのセーブは結果にはつながらなかったが、動画が拡散され、その名は世界中に知られることとなっている。