浦和番記者が見た槙野の審判侮辱発言 取材エリアでの「場を和ませる言葉」と不用意な「危うい発言」

覚悟を持ったなかでの意見表明であれば…

 浦和を取材することの多い立場からすると、槙野は多くの記者から頼られていると感じることがある。発言がストレートなところがあり、いわゆる「記事にしやすい」言葉を使う傾向もある。浦和の中ではレギュラーの立場を確保して長く、継続的に日本代表にも選出され、オフにはテレビ出演するなど高い知名度があることも理由だろう。また槙野の立場からしても、発表された言葉の通りに取材エリアはいつも見る顔が多い場になっているのだろうとも感じられる。

【注目】白熱するJリーグ、一部の試合を無料ライブ配信! 簡単登録ですぐ視聴できる「DAZN Freemium」はここから

 一方で、取材エリアでの発言は基本的に何が記事になってもおかしくないという言い方もできる。社会人同士の付き合いとして「場を和ませる言葉」は理解できるが、そこに第三者の話題、この場合であれば審判員を登場させる必要はなかったのだろう。ただし、取材現場の慣習的な部分として、瞬間的に「危うい発言」と感じられるものが記事にならないことも多い。そのあたりはメディア側の忖度と取られても仕方ないのだろうとも感じる。

 いずれにせよ、今回の件は取材エリアで試合やサッカーに関係のない話題を振られたわけではなく、当該の試合に関わりサッカーの話題の中での発言が問題になったものだった。それに対し、覚悟を持ってメディアを代弁者にして意見を表明するのなら良いと思う。それもまた、サッカー界のためになることだからだ。だから、そうした重さを本人が持っていない不用意な一言でプレーする場が1試合失われた今回の件は、誰にとってももったいないものだった。

page1 page2 page3

今、あなたにオススメ

トレンド

ランキング