昇格失敗で主力流出の危機が迫るC大阪 「降格2年目のJ1復帰」への条件とは?
千葉と磐田の運命を分けたもの
そうした中で、両者の運命を分けたのは指揮官にあった。2011年の千葉は、前年まで2シーズン率いた江尻篤彦監督からオランダ人のドワイト監督に交代したが、柔軟性に欠けた戦術が災いして終盤戦に失速。リーグ終盤戦で監督交代を行うも、6位に沈んだ。一方の磐田は、昨季途中に就任した名波浩監督が引き続き指揮を執り、戦術の浸透とともに組織力も高まり安定した戦いを披露。1位の座こそ大宮に譲ったが、福岡との争いを制して2位となり、降格2年目で目標を達成した。
今冬の移籍市場において、C大阪は主力数人の流出は避けられないだろう。そうした中で、いかにして「降格2年目でのJ1復帰」を成功させるのか。過去の歴史をひもとけば、たとえ戦力ダウンになろうとも、「一貫性のある強化」は欠かせない。1年目の失敗をいかに総括し、その教訓をもとに大熊監督が引き続き指揮を執るのか、それとも新たなコンセプトのもとに新指揮官を招聘(しょうへい)するのか。このオフをどのように過ごすかが、“桜の軍団”の未来を左右する大きな分岐点になりそうだ。
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サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images