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果たしてブラジルW杯の“正確”な検証はなされたのか 決勝に進出した2か国が見せたサッカーの真実と日本が進むべき道
1986年のメキシコ大会でマラドーナを擁するアルゼンチンが3-2で西ドイツを破って優勝すると1990年大会では西ドイツが1-0で勝利して優勝を果たした。そして今回が3度目のワールドカップ決勝での顔合わせとなった。決勝でヨーロッパ対南米というカードは10回目になるがそのうち7回が南米のチームが勝利している。さらに南米大陸での大会で欧州のチームが優勝したことはない。
南米に有利なデータばかりだが、この2チームの戦いに限って言えば、2006年ドイツ大会では準々決勝で顔を合わせ1-1のままPK戦に突入しドイツが勝利した。2010年南アフリカ大会においても準々決勝で顔を合わせたがこの時はドイツが4-0と圧勝した。
ドイツの初戦のポルトガル戦4-0、準決勝のブラジル戦7-1という結果があまりに強烈で、他にもフランス、アメリカという強豪国をことごとく打ち破ってきた実績からドイツ優勝の声が多く聞こえていた。
一方アルゼンチンは、ドイツに比べて対戦国に恵まれていたものの全て1点差勝ちで苦戦のイメージと「メッシ頼み」の感は否めない。それらの印象や試合結果とは別に、試合内容を表すデータからこの2チームが決勝にたどり着くまでの道のりを振り返ってみたい。
ポゼッション率、パスの成功率、シュート数、クロス数等マイボール時のデータを見てみよう。ドイツとアルゼンチンのデータを示す2つの表を見てみると、洗練された一段上のポゼッションサッカーで圧倒的強さを見せてきたドイツ、しっかりと守備を固め、メッシの決定力に任せて勝ち残ってきたアルゼンチンというイメージとは少し異なる印象だと思う。
両チームとも平均60%近い支配率を誇り、パスの成功率に関しては偶然にも85.7%とまるで一緒だった。Duelsというセカンドボールをどちらのチームが奪ったかという守備のデータを見てもドイツ、アルゼンチン共に6試合中5試合で相手よりも勝率で上回っていた。