「引き金を引いたのはコパ」 無念解任のバレンシア監督、クラブ内部の“圧力”を告白

バレンシア前監督のマルセリーノ氏【写真:Getty Images】
バレンシア前監督のマルセリーノ氏【写真:Getty Images】

国王杯優勝も祝福はなく、マルセリーノ監督は今季リーグ戦3試合を消化して電撃解任

 バレンシアのマルセリーノ・ガルシア・トラル監督が、現地時間11日に電撃解任にされた。昨季クラブをコパ・デル・レイ(スペイン国王杯)優勝に導く手腕を発揮したが、指揮官はそのタイトル獲得が解任の引き金となったと語った。米スポーツ専門局「ESPN」が報じている。

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 マルセリーノ前監督は2017年にバレンシアの監督に就任。2000年代初頭にはリーガ・エスパニョーラを制し、UEFAカップ(現ヨーロッパリーグ)優勝などの輝かしい成績を残してきた同クラブだが、近年はバルセロナやレアル・マドリード、アトレチコ・マドリードなどに差をつけられていた。しかし、54歳のスペイン人指揮官に率いられた昨季、バルセロナとの決勝を制して11年ぶりにコパ・デル・レイのタイトルを獲得していた。

 しかし、2019-20シーズンが始まってまだリーグ戦3試合を消化した段階での電撃解任が決まった。この突然の知らせにマルセリーノ前監督も納得がいっていないようで、記者会見に臨んで「(解任の)引き金を引いたのはコパだ」と意外にもコパ・デル・レイでの優勝が解任の原因となったと語った。

 さらに指揮官は、「シーズン中、我々は一部の人々からはコパを捨てるべきだというメッセージを受け取っていた」とも告白した。クラブ内部からは、リーグ戦でUEFAチャンピオンズリーグ(CL)出場権獲得(4位以内)に注力するために、カップ戦から敗退すべきとの圧力があったようだ。「コパで優勝した後も、クラブオーナーから祝福のメッセージは一切なかった」と明かした。

 バレンシアは結局、リーグ戦で4位に入り、CL出場権を獲得したが、オーナー陣と監督との意見の食い違いが、両者の関係悪化を生み、今回の解任へと発展したようだ。

「私は7月19日にシンガポールへ行ったが、彼(オーナーのピーター・リム氏)が祝福したのはCL出場権のことだけで、コパについては何もなかった。私の驚きは想像できるだろう」

 強豪バルセロナを破ってチームにタイトルをもたらしたマルセリーノ前監督だが、志半ばでの無念の解任となった。

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(FOOTBALL ZONE編集部)



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