浦和からの誘いも断った福岡FW城後 5年ぶりのJ1昇格に万感の思い
アビスパ一筋11年
喜びの涙が止まらなかった――。
FW城後寿は2005年、全国高校サッカー選手権を制覇した名門国見高を卒業後、アビスパ福岡の門をたたいた。そこから11年の月日が流れた。
キャプテンという大役を託された今季、敵地ヤンマースタジアム長居で行われたJ1昇格プレーオフC大阪戦で運命の瞬間を迎えた。先制を許し、昇格に暗雲が垂れ込めたが、国見高の先輩DF中村北斗が土壇場で同点弾を決めた。1-1のドローのまま、5年ぶりのJ1復帰のホイッスルを聞いた。
男泣きに泣いた主将は、この日、チームを力強くけん引してきた。「うれしいです」と朴とつとした口調で話した。
「失点しても誰も焦りがない。そういう試合を繰り返している。悪い時間もあったけど、しのげたのが勝因。1年間通じて自分たちの課題をしっかりと見つめて、課題を改善しようとやってきた。それが今日に限っては、僕たちにアドバンテージもあった。それをうまく有効に使えたと思う」
大舞台でリードされてもチームは動じなかった。アビスパ一筋11年目の生え抜きの星、城後は2011年シーズンにもJ1昇格を経験している。
「あまりさほど変わりはない。僕個人でいうと前回昇格した時は若かった。先輩方についていくだけだった。今回こうやってキャプテンに任命されて、キャプテンという形で昇格に関われたのは僕自身にも成長になる。うれしさとして今回の方があるのかなと思う」
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