「W杯予選ミャンマー戦出場14人」を金田喜稔が採点 「イメージを変えた」と称えた選手は?
2戦連続スタメンで評価を高めた橋本 「効果的なくさびのパスが何本かあった」
■南野拓実(ザルツブルク/→後半31分OUT)=★★★★
限りなく5つ星に近い評価。前半26分にヘディングシュートで2点目を奪っただけでなく、攻守において体を張り続けるなど献身性を見せ、チームの白星発進に貢献した。森保ジャパンになってからの南野は、クラブでレギュラーとしてコンスタントに活躍をしているからか、自信にあふれ、常に得点へのイメージを描いているからこそ、右足でも左足でも積極的にシュートを狙っている。ポジションは2列目中央だが、プレースタイルはシャドーストライカー。だからこそ1トップ大迫との距離感やコンビネーションが抜群で、日本代表における“トップ下”のイメージを変えた。
■堂安 律(PSV/→後半20分OUT)=★★★
中島の1点目を導く高い位置での守備、南野の2点目を生んだアシストと、早い時間帯で2ゴールに絡んだ。特にアシストの場面は、自らが打ったシュートが跳ね返ってきて、ボールをコントロールしながら瞬間的に南野を見てクロスを送った。このあたりの技術の高さ、落ち着きはさすがだなと思わせるものだった。だからこそ、パラグアイ戦後に指摘したように、最近は自らのプレースタイルに悩んでいるように見えただけに、きっかけを作る一戦にしてほしかったが、その後が続かなかった。もちろん、再三にわたって起点となり仕掛けていたが、ミャンマーとの実力差を考えれば当然のこと。ゴールを奪って波に乗ってほしかったが、完全復活には至らなかった。まずはオランダに戻り、新天地のPSVでポジション争いに勝ってほしい
■柴崎 岳(デポルティボ)=★★★
攻守のつなぎ役としてゲームをコントロールしていたが、二度訪れたチャンスでゴールを決めきれなかった。1本目は後半19分、中島のクロスを大迫がシュートを打たずにヘディングで落とした場面。右足のボレーシュートで狙ったがボールはクロスバーを叩いた。そして2本目は後半41分。酒井が右サイドを切り崩し、マイナス方向へグラウンダーパス。これをゴール正面でフリーで受けた柴崎は、ワントラップ後に相手GKの頭越しに浮かすイメージで右足を振り抜いたが、思うようにヒットせずセーブされた。もっともワントラップ目でゴールに正対してしまうと、インフロントにかけたループシュートを狙うのは難しい。柴崎クラスの選手なら、ワントラップ目でもう少し体を右斜めに向けた状態から狙うか、正面を向いた状況でボールを収めたのなら、ピッチも雨で濡れているし、低く抑えた強いシュートを狙っても面白かった。
■橋本拳人(FC東京)=★★★★
2試合連続で先発のチャンスを与えられたなか、徐々に自分のプレーを出している。ボールを拾えるし、ミドルシュートも打てる。見えないところでの早い判断のつなぎ、攻撃を加速させる大迫への効果的なくさびのパスも何本かあった。そこに通すことができるから、南野や堂安、中島も連動して絡んでいける。ボランチのポジション争いも熾烈で、誰が一番手なのかは分からないが、橋本が信頼を高めたのは確かだろう。
金田喜稔
かねだ・のぶとし/1958年生まれ、広島県出身。現役時代は天才ドリブラーとして知られ、中央大学在籍時の77年6月の韓国戦で日本代表にデビューし初ゴールも記録。「19歳119日」で決めたこのゴールは、今も国際Aマッチでの歴代最年少得点として破られていない。日産自動車(現・横浜FM)の黄金期を支え、91年に現役を引退。Jリーグ開幕以降は解説者として活躍。玄人好みの技術論に定評がある。