名選手ゆえのプレッシャー 福岡をJ1昇格に導いた「アジアの壁」はドーハ組3人目の名将になれるか
代表歴代2位のキャップ数も「選手時代の実績は指導者として関係ない」
選手時代には「アジアの壁」と称された名リベロだった。日本代表のキャプテンも務め、代表CAP数122試合は日本歴代2位。1998年のフランス大会でワールドカップに日本代表が初めて出場する瞬間にも立ち会った。そうした実績は、指導者としてのスタートにあたっては大きなプレッシャーにもなったという。
「選手としての実績は、指導者としては関係ないと思っている。選手時代の実績があるからこそ、井原は監督としても成績を残せるだろうと見られるので、そのプレッシャーが大きくなる。だからこそ、それをパワーにしてやろうという気持ちでやっている。そうやっていくことが、指導者としても力をつけるためにも大事なことだと思っているし、プレッシャーがあるからいい仕事ができると思っている。その難しさに、やりがいを感じている」
かつての名DFはそう語った。だが、ワールドカップ予選や本戦、Jリーグのチャンピオンシップといった大舞台を経験したことは、この昇格プレーオフで見せた落ち着き払ったベンチワークにもつながった部分が少なからずあるだろう。なぜなら、井原監督はこの試合のプレッシャーについてこう話しているからだ。
「選手の時とは全く違う感覚だった。代表でもJリーグでも色々なプレッシャーがあったが、その時とは全く違った。ただ、その違いはあるが、ワールドカップ出場などに比べればまだまだだと思っている」