福岡が昇格プレーオフで劇的ドロー スター軍団C大阪を抑えて5年ぶりのJ1復帰へ
年間成績上位も長居でのアウエーの不利を跳ね除けた!
後半も攻めるC大阪と耐える福岡という構図は変わらなかったが、後半15分に均衡が破れた。セレッソは中盤でボールを奪った速攻で、元日本代表MF関口訓充の狙い澄ましたスルーパスに玉田が抜け出すと、中村との1対1を制してゴール。大きな先制点を手に入れた。
リードを許した福岡の井原正巳監督は2トップシステムに変更した。同点ゴールを奪いに行くというメッセージも伝えた。そして、左サイドのDF亀川諒史は積極的なドリブル突破でチャンスを多く作るようになっていく。セットプレーも多くなり、C大阪のゴールに圧力をかける展開になった。
それでもゴールを奪えない福岡はFW坂田大輔やFW中原貴之を投入。前線の枚数を増やして勝負に出た。強攻策は終了間際の後半42分に実る。坂田から左サイドのFW金森健志に展開する。折り返しに中央で中原がつぶれたところで、ファーサイドに走り込んだMF中村北斗が豪快に蹴り込み1-1の同点に追いついた。
こうなると、再びJ1昇格の権利は福岡へ。C大阪はゴール前に多くの選手を送り込んでパワープレーに出る。DF山下達也や途中投入のDF中澤聡太もゴール前に送り込み、ハイボールを次々に放り込んだ。アディッショナルタイム4分のラストプレーとなったフリーキックではGKキム・ジンヒョンもゴール前へ。しかし、関口のキックにFWエジミウソンが頭で合わせたボールは無情にもクロスバーの上。ここでタイムアップの笛が鳴り響き、福岡がJ1昇格を決めた。
日本代表MF山口蛍ら数々のビッグネームを擁したスター軍団のC大阪は地の利を生かせず、冬の桜を咲かせることはできなかった。
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サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images