「あれは衝撃レベルだった」 遠藤保仁が忘れられない日、サッカー人生で「初めて」体験
心から「こんな生活、暇すぎる」と実感して、“休むこと”に嫌気がさした(笑)
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【第1回|なぜ日本人初1000試合出場を達成できたのか】
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【第2回|衝撃を受けたJリーグ海外助っ人】
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【第3回|ベテランだからこそ感じる「怖さ」とは?】
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【第4回|第一線で活躍し続ける極意】
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【第6回|遠藤保仁が語る“移籍論”】
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ガンバ大阪のMF遠藤保仁が8月2日のJ1リーグ第21節ヴィッセル神戸戦(2-2)で途中出場し、公式戦1000試合出場の偉業を達成した。J1、J2、カップ戦、天皇杯、AFCチャンピオンズリーグ、日本代表戦など、すべての公式戦を含めて日本人初となる金字塔を打ち立てた本人を直撃。稀代のプレーメーカーが、全6回で1000試合出場の舞台裏を語る。第5回は「忘れられない日」について訊いた。
◇ ◇ ◇
20代の頃っていつも「ああ〜休みたいな〜」って思っていました。今の時代も若い選手は……いや、僕も含めてほとんどの選手がそう思っているはずだけど(笑)。
だから、オフになると「やっとオフがきた〜」と思い、基本的にはオフらしく過ごす。会社員だって、オフの日は仕事を切り離して休むのと同じで、サッカー選手だって仕事であるサッカーから離れていいと思うから。
なので、体はもちろん動かさないし、ひそかに隠れてトレーニングするなんてこともしない。今も休みは家族と遊びに出かけたり、たまにゴルフをしたり、自分の時間を楽しんでいる。
でも、2006年10月にウイルス性肝炎にかかって、初めて長期離脱をした時だけは……4週間を過ぎた頃かな。心から「こんな生活、暇すぎる」と実感して、“休むこと”に嫌気がさした(笑)。あの時は、何をしていても、時間が進んでいることを実感できなかったし、あれは衝撃レベルの暇さだった。
あとになって家族に聞いた話だと、その時の病状は、そんな呑気なことを言っていられないくらい深刻で、肝臓も異常な数値が続いていたらしいけど、僕は何も聞かされずに、ただただベッドの上で寝ていただけだったから。
熱が高かった分、体がしんどい、だるいという自覚はあったものの、“風邪のひどい版”くらいの感覚で「早く熱が下がらないかな〜」「そんなに大げさに騒がなくてもいいのに」くらいしか思っていなかった。その後、ようやく熱が収まって、病院の敷地内なら外を歩いてもいいという許可が下りたのを受けて、庭を散歩したけど、あの時は「太陽に当たるのってこんなに気持ちいいんだ!」って感動したのを覚えている。
そのくらいだから、グラウンドに立ってボールを蹴れた時の喜びといったら……まぁ、それは普通か (笑)。やっぱり、サッカーって楽しいな〜とは思ったけど。
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