広島を王者に導いた青山がCS大会MVP受賞 主将が走破した2試合合計25.77kmの価値

揺らぐことなき柱

 広島の中心には、揺らぐことなき絶対的な柱があった――。

 5日のJリーグチャンピオンシップ決勝第2戦。広島はG大阪と1-1で引き分け、2戦トータル4-3で勝利を収めて年間チャンピオンの座に就いた。そして、主将でありチームの心臓部でもあるMF青山敏弘が、大会MVPを獲得した。

 青山は、この第2戦を振り返り、こう語った。

「自分たちらしさを今日は出そうと思ったけど、なかなか難しかった。最後は自分たちの総合力で1点を取って優勝に近づけたので、みんなの力で取った優勝だと思う」

 それだけ広島にとっては、厳しいゲーム展開だった。2点差以上での勝利が必要なG大阪は序盤から攻勢を強めた。その一方で、前半から守勢に回った。前半27分にはセットプレーから先制点を与えると、2失点目が敗北に直結する状況に陥った。

 だが、そんな中でも中盤の中央で体を張り、G大阪の攻撃をサイドに偏らせる青山の姿があった。そうやって0-1の状況で耐え、後半31分に途中出場のFW浅野拓磨に同点ゴールが生まれた。そして、歓喜のタイムアップ。キャプテンマークを巻いた青山は、「日本一だよ!」とスタジアムを埋めた満員の広島サポーターに大声を張り上げた。

 そのプレースタイルは、中央のエリアから大きく動かないことにある。MF森崎和幸とのダブルボランチは、森崎がビルドアップ時に最終ラインまで降りる反面、青山は中央にどっしりと構える。このハッキリとした役割分担は、G大阪の遠藤保仁、今野泰幸のダブルボランチがそれぞれに動き回ってボールを引き出すのとは対照的であり、同じシステムの浦和のMF柏木陽介とMF阿部勇樹ともまた違うものだ。

 

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